多胡吉郎『わたしの歌を、あなたに』

なかなかよかった。読みがいがあった。まったくのフィクションでなく、可能な限り事実を積み上げていき、それでも欠けている部分を想像で、フィクションで繋げた、著者の言葉で言えば、ファクション=ファクト+フィクション。

芸術家としての兼子を理解し、陰の人として支えてくれた朝鮮人の天才詩人。若くしてなくなったその青年と兼子のこころの、魂の響きあい。