私も着替えようと、洗面所の向かいに既に見つけていたクローゼットを開けてみた。

真新しい制服、デニムスカート、薄手のニット、そして舞花の母のものであろうフォーマルなセットアップが吊るされていた。

先ほど見た格好は、部屋着の域を出なかったというわけだろう。

私の母ならば、あれで街中まで出かけて行くところだ。

制服は、私の住む街でも地元でも見たことのないものだった。

「まだ私服でいい?」

私は初めて声を出した。

「え、ええ、そうね。入寮セレモニーは11時からだから、10時15分くらいにチェックアウトすれば十分ね。今が7時半だから、まだ制服は早いわね」

舞花の母の声が上ずっていた。

やはり、舞花の話し方とは違ったのだろうかと不安になった。

「ねぇ、舞花。ちょっとこっちにいらっしゃい」

舞花の母に手招きされ、促されるまま、彼女と向き合う形でベッドに腰を下ろした。