舞花が眠る前、何があったのだろう。

体調に異変は感じない。

熱っぽくもなければ、二日酔いの感覚もない。

むしろ体は軽いくらいだった。

体を起こしてみる。

低血圧の私が経験したことがないほど、すんなりと起き上がれた。


手のひらは、元の私よりやや大きめで、血色はよく、潤いがあった。

胸元に目をやれば、そのふくらみも元の私よりいくぶん、恐らく1カップフ程度大きかった。

髪の毛は胸を覆うほどに長く、漆黒で、まるで傷みがなかった。

ゆっくりと室内を見渡し、洗面所の入り口に目星をつけて私は立ち上がった。

素足にはペディキュアは施されておらず、足もやはり元の私より大きい。

洗面所の電気を点け、恐る恐る、鏡を覗きこんだ。