ある団体の大会がK市で開催されることになり案内パンフレットの作成に大手の三社と個人営業のK氏が入札に参加した。市内各所で分科会が開かれるので市内地図と帰りの電車の時刻表が必ず載せる課題がついていた。それぞれアイディアや技術を競って「たたき台」を持ち寄った。
大手はパソコンによるカラー印刷、個人営業のK氏はなんと鉛筆書き。内容の比較検討で見た目、大手のそれは大差ない無難な出来栄え。理事の何人かは自身推薦の印刷会社を推した。
しかし、理事長は鉛筆書きのみすぼらしい作品に注目した。特に課題の地図と時刻表に。
大手は地図をイラスト風にして会場に●をつけた今時な感じ。
K氏は金沢が初めての人にもわかるようにアの1、ウの3と地図に線を引いて距離と移動時間まで添えたもの。また、時刻表は大手三社は駅発の時刻表を乗せただけであったが、K氏は参加者の最終帰宅地までの乗り換え列車の時刻まで調べてあった。
かゆい所に手の届く配慮はライバルを退けた。単なるカッコよさではなく自分がもらってよかったなと思えるものを商売抜きで提案したのがK氏の勝因となった。