まさか試験を受ける前に、
こんなにトラブルが発生するとは思ってませんでした。
どうせ今日もダメなんだろうな~と思いつつ、
自宅から車で10分のDMVへと向かいます。
念のため、テストコースを1回だけ周って練習しました。
交差点で停止すべきところよりもオーバーして停止してしまい、
こりゃ1発不合格ポイントだなと反省。
駐車するときも、最後にパーキングにギアを入れることを忘れる始末。
まあ、1回目で合格するとは思っていないし、
不合格でも次の日にまた試験を受けることができるので、
こんな未熟な状態でも、とりあえず1回は試験を受けてみたい私。
まだ一度も試験を受けていないのに、
実技試験(ロードテスト)の為にDMVに来たのはこれで5回目なので、
もう緊張もしませんでした。仮免申請のときから数えれば、8回は来てる・・・
いつものように写真を取られ、身分証明書を出してみると、
昨日私を担当してくれたスタッフが、
「今日は今のところ、大丈夫みたいよ」
というではありませんか!!
またサーバーダウンする前に、とっとと早く試験手続きを済ませてほしい!!と
心の中で祈りながらカウンター前で待つ私に、
「じゃあ、名前を呼ばれるまでロビーで待ってて」
とスタッフが言いました。
よかった~!
どうやら今日は試験を受けられるようです。
私の前に3人ほど路上試験待ちの人たちがいて、
順番に1人ずつ名前が呼ばれ、試験官と一緒に出口へと消えていきました。
どうやら試験官はたったの1人のようで、
学校の体育の先生か生活指導のような元気でシャキシャキとしたおじさんでした。
うわ~、声もデカいし、なんだかミスったら、
「何やってんだよ、バカヤロー!」
と怒鳴りそうなおっさんで怖いな・・・とドキドキしてきました。
私の運転、突っ込みどころ満載だし、こればヤバいかも・・・。
1時間くらい待って、私の番が来ました。
が、私の名前を呼んでいたのは、
あのシャキシャキオヤジとは真逆の若い女性の試験官。
とても声が小さかったので、最初私の名前が呼ばれていたことに気付きませんでした。
あ~、この女性、カウンターにいた人だ・・・。
どうやら、あの声がでかいおっさんはランチ休憩に行ったようでした。
これは、ラッキーなのか、アンラッキーなのか・・・・?
試験官の女性は駐車場に出るなり、
「今日の天気は本当に酷いよね~」
と声をかけてきました。
(あ、この人いい人かも・・・。 )
DMVスタッフは全米的に対応が最悪ということで有名なので、
こんなに気軽におしゃべりできるスタッフは貴重かと。
しかも、私と似たような小柄で黒髪の女性なので、威圧感全くなし。
車に乗り込むと、試験官の女性が助手席に座りシートベルトを締めました。
あれ??
車両確認しないの???
手信号は???
ライト、ブレーキ、シグナル、ホーン、ワイパー、などが正常に動くかどうか、手信号のチェックなどがあると思ってたのに、車両の保険証や登録書も確認もないまま、試験がいきなり始まりました。
試験官の女性は、ipadのような機械を私に見せ、
機械からは試験に関する注意事項の音声が流れてきます。
最後に「do you have any questions?」と音声が聞いてきたので、
「No」と小さく答えました。
音声が何を言っていたのかよく覚えていませんが、
試験官の指示に従うこと、試験官は運転方法は教えないし聞いてはいけないのようなことを言っていたと思います。
すぐに発進できるように前向きに駐車していたのですが、
試験官がバックで出るように駐車をしなおしてくれる?と言ってきました。
どうやら、バックができるかどうかの確認のようでした。
無事に駐車場から出て、スムーズに路上に出ることができました。
不思議と緊張感は殆どありません。
2~3分走って右折すると、
制限速度40マイル(65kmくらい)の大きな道路にでました。
ここでは40マイル近くのスピードを出さないといけません。
途中、緩やかな下り坂があり、スピードに注意しないといけない場所です。
「安全と思えるところで、左に車線変更して」
と指示がでました。
信号機近くになると焦るので、すぐに車線変更することに。
バックミラーで後続車がいないかどうか確認。
いないことを確認してからシグナルを出します。
もう一度バックミラーで確認、サイドミラー、ショルダーチェックもして、
くいっと車線変更しました。
車線変更してすぐにスピードメーターをふと見ると、
うわっ、、、、
50マイルでてる!!!
ヤバ、
ヤバ、
ヤバいッ!!!
制限速度65kmくらいの道で、時速80kmほどでてました。
気付かないうちにガスペダルを踏み過ぎたのか、
緩やかな坂道でスピードが上がってしまったのかわからないけど、
スピードが制限速度よりも大幅にオーバーしてました。
焦りを隠しながら、何事もなかったかのようにスピードを落としましたが、
頭の中には、
終わった・・・
の文字が・・・。
横の試験官の様子からしても、スピード違反はバレていること確実。
その後は10分ほどコースを走らせて、DMVの駐車場に帰ってきました。
右折、左折時にスピードを出しすぎて、体が斜めるほどの速度でグぃンと曲がったり、
カックンブレーキで停止してしまったりと、反省点が何点もありました。
ラッキーだったのは、練習していたコースとテストコースが全く同じだったこと。
スピード違反はしたものの、何度も練習したコースなので焦らずに運転ができました。
最後の駐車場では、試験官の女性が
「あの場所に駐車して」
と場所を指定してきました。
ちょうど今、1台の車が出て行ったスペースに車を駐車しろという・・・。
両隣には他の車が停まっていました。
実は駐車の練習は少しだけしたけど、車の停まっていない駐車場で練習したので、実際に本物の車と車の間に駐車するのは初めて。
ドキドキ、ドキドキ・・・
入るかなぁ・・・・
ぐいっとハンドルを切って、
まるでスローモーションのように、
ゆ~~~~~~~~~~~~っくりと車を前から入れてみたら、
真ん中に入りました!軽く感動。
アメリカでは前から入れるのが基本なので、バック駐車のテストなんてありません。
ふ~っ、とりあえず
無事に帰ってこれただけでも良かった~と思っていたら、
試験官の女性が、
「あなたの運転について話があるから、私と一緒にカウンターに来て」
と一言。
あれっ?車内でいろいろ説明されるものだと思っていたけど?
車内では試験官は私の運転についていは一切何も口出さなかったけど、
これから説教タイムが始まるんだな~と、トボトボとついていくことに。
「まずはスピード違反ね。車線変更時にはスピードは加速しないこと。40マイルの道なのに、あなた45マイルも出てたわよ」 本当は50マイルだったけど、試験官からは45マイルに見えたようです
「交差点侵入時の確認が遅い。交差点に入ってから確認するのではなくて、入る前にちゃんと確認すること」
ちゃんと見てますよ~のキョロキョロアピールを交差点に入ってからやってしまっていたので、そんな印象がついた様子。
「あとは、よくできていたわ。ちゃんとスピードメーターも確認していたようだし」
と最後に誉め言葉。
カックンブレーキなど不慣れな運転法については御咎めなし。
「じゃあ、この紙を持って、支払いのカウンターに行ってね」
と渡された紙には免許交付の文字が・・・。
「え・・・・・っ? 私、パスしたの?」
と試験官の女性に聞くと、
「そうよ」
と一言。
はっ、受かったの私?
この試験官、私が落ちたとか、パスしたとか全く言わなかったけど、一発不合格になるはずのスピード違反をしているので落ちたと思い込んでた私。
なんと、合格してました!
さすが、アメリカ!
免許を取れたという喜びよりも、
もうDMVに来なくいいんだ~という喜びで涙が出ました。
そして、免許交付代はたったの12ドル。安っ
学科試験も、実技試験も一発合格だったのに、
1年もかかってやっとアメリカでの運転免許を取得することができました。
移民局絡みのトラブルもあったけど、
そのうち取ればいいや、とのんびりとしていたので時間がかかってしまいました。
最後はただただラッキーだったと思います。
試験官の女性は、私が前日に3回も試験を受けに来たことを隣で見ていた人だったので、たぶん同情してくれたのだと思います。ここで落としてしまったら、このアジア人女性(私)はまた試験を受けに来なければならないし、その時にまた移民局のサーバーがダウンしていたら、試験を受けることができないだろうし、きっとこの人は困るのだろうな。と思ってくれたのかも。
車を貸してくれたCさんにとても感謝しています。
免許取れるまで付き合うから大丈夫、と言ってくれた言葉にとても励まされました。
本当にありがとうございます。この御恩は一生忘れません!!
最後に、
私のように車を運転したことがなく、
アメリカで初めて運転免許取得にトライする方へのアドバイス。
★ インストラクターを雇ったほうがいい テストコースをこっそり教えてくれるかも?
★ 筆記試験は練習問題を何度も練習する。簡単だけど、ちゃんと勉強しないと合格はできないよ。
★ 州によって実技試験の内容が違うので、必ず確認する。
ちなみに私の州は田舎なので、縦列駐車やKターンの試験はなかった
★ 実技試験は運!落ちても凹まずに再度トライ!
落ちてもお金かからないし、毎日試験は受けられるし (州によって違うけど、田舎の州は予約不要でいつでも受験できるよ)