娘の小学校の入学祝いに
父親が贈ったプレゼントは 『栞』だった。
『いっぱい本を読もうね』と言葉を添えて
彼女はその手触りを嬉しそうに確かめながら、ふと言った。
『どうして しおり って言うの?』
はて?と、首をひねる父。
辞書を引くと、 『栞』という字は 『枝折』(しおり) から転じたものとあった。
いにしえの人々は山道を進む際に迷わぬよう、通った道の木の枝を折って帰りの目印にしたという。
『じゃ本を読むことは山登りなんだね』と、娘は瞳を輝かせた。
確かに、1ページ1ページ、本を読み進める作業は、山道を一歩一歩、登るようなものだ。
途中の景色を心ゆくまで楽しみつつ、
四方の絶景を見渡せる、
物語のラストという山頂を目指す
古典や名作になると、山道は長く険しくなるかもしれない。
それだけに、登り切った時の喜びは何物にも代え難い。
山頂に立つ感動は、自分の足で登らなければ味わえない。
1日5分でもいい。
読書という名の〝山登り〟に挑戦したい。
栞を挟むページの位置が進むにつれ、自身の心は鍛えられ、豊かになる。
名字の言より♪
