そのころ、彼が私の家に遊びに来る回数は増えていた。
週に3-4回は会っていたし、朝、昼と2回けっこうな長電話をした。
その内容は大体、仕事のことや将来のこと、その他日常の他愛もない話が多かったがその4月を過ぎたあたりから、彼が体の不調を訴えることが多くなっていった。
「腰が痛いんだよ。ベッドのせいかな?」
彼が使っているベッドは、1年位前から背中にあたる部分が穴が開いたようにへこんでいたらしい。
ベッドを買いなおお金がないので彼は布団を買ってリビングで寝ることにした。
「これで治るかな?」
かなり大きな期待を抱きつつ、その日彼は眠りについた。
その日の朝、彼はあせって電話をかけてきた。
今まで見たこともないくらい、顔がはれ上がっているというのだ。
後で写真を見せてもらった。
色や表面の様子はそのまま。
ちょうど風船に空気を入れたようにそのまま膨れていた。
「太ったおじさん」
まぁ、こんな人もいるよなぁといった程度だけれども、
それはまるで別人のようだった。
今まで壊れたベッドで頭を高くして寝ていたのを、布団を強いて水平に寝たせいだと言っていた。
「今日俺、病院行ってくる」
それでもその顔があまりに異常なので今日は仕事を休んで病院にいくといって、電話を切った。
私はなんとなくそんなに重く考えなかった。
彼は他にも通風とか色々具合の悪いところがあったし、なんとなく、
「またか」
という感じだった。
そしていつものように昼ごろ、電話をした・・・かどうか覚えていない。
ただ、「肺に影があるので来週再検査しましょう」
そういう話だった。