部屋の照明は暗いまま、カーテンと窓を少しだけあけた。
「さっきホントに用事あったの?」
目が赤いから顔を見れない。
「うそでしょ」
「なんでさっ」下を向いたままこたえた。
「わかるよ。なんか、ご機嫌ナナメだったしょ」
「そっちはご機嫌よかったね」
「まあね~ゆうこちゃん来たらね~笑」
ずきんとする。
ベタ惚れなんだね。
「仲良しだね。今年はマリコがあげなくてもチョコもらえるじゃん」
「あぁ~奇跡的にマリコ以外からももらえるかなあ?笑」
「あは笑。じゃあマリコからもらう必要ないね笑」
涙がどっとあふれてきた。
自分の言葉が自分をしめつけた。
「…なに言ってんの?」
「や~あんな可愛い子からもらえるなら、ホントあげる気なくすよ~笑」
「…それ、本気で言ってんの?」
「あははー笑」
嘘くさい笑い方をしてしまう。
「…泣いてるの?」
なんでコイツは色々気づくかな。
「窓もっとあけて。顔見せて?なしたの」
雄一のせいだよ…
カーテンはそのままで、窓だけそっとあける。
ちょっとした時間がたって、ガサガサ音がする。
次の瞬間、カーテンの前に人影ができた。
「!!」
カーテンがあけられる。
雪のつもったベランダに雄一がいた。
「ばっかじゃないの!?危ないしょ!!」
「しーっ!!危ないことはしないって笑
俺も実はおっきくなったからね、これくらい余裕なの♪」
私の口は雄一の手でふさがれた。
びっくりしすぎて、雄一の顔を凝視していた。
部屋に入り、雪まみれになった靴下を脱いで自分の部屋になげる。
…自分の部屋に帰るときどうするんだろ。
ぼうっと考えていると
私の目の前で雄一があぐらをかいて座っていた。
「やっぱ泣いてたんだ」
「…危ないしょ…」
「あのね、危ないのはマリコだよ?俺が部屋にあがってんだから笑」
「なっ…!!」
自分でも真っ赤になるのがわかった。
「冗談だよ。…んな可愛い顔しないでよ笑」
雄一が目をそらすように俯いた。
なんてこと言うの?
居間にあがることはあっても、
お互いの部屋にあがることはもう何年もない。
こんなに近くにいたら、もう止めることなんてできないよ
「雄一はさ、なんでさ…」
「なあに?」
「なんでさ、マリコにゆうこちゃん…紹介したの?」
泣いているのはもう隠せない。涙声のまま話した。
「…それで泣いてたの?」
「や、そーゆうわけじゃ…」
「ゆうこちゃん、俺のイトコだよ?」
「は?」
「俺のイトコだよ笑。彼女だとでも思った?笑」
「……思ったよぉ~」
言い終わると同時にほっとして涙がさらにあふれてきた。
「ねえ、彼女紹介されたと思って泣いてたの?」
「…………ちがう」
「なに?ちゃんと言って?」
言ったのに。 本当に意地悪だ。
「………そうだよぉ…彼女かと思ってすっごいショックだった…
いやだよ。やだ。
雄一の彼女とか、紹介されたくない。
雄一の隣にだれかいるのは…」
気がつくと、私は雄一の腕の中にいた。
「大好きだよ」
さらにぎゅっと腕に力をこめて、私を抱きしめる。
涙があふれて、なにも見えない。
「今年のバレンタインは やっぱりいつもと違うのほしい。
お前の気持ちがはいってるやつ。」
私は笑う。
「もうつくった」