本日11月17日はブロ友であります、ゆんさんのお誕生日です!
おめでとうございます!
今回このお話をプレゼントいたします。
ってか、プレゼントなのに、お手伝いありがとう!!
★カラス日和★
11月にはいって風が冷たくなってきたが、昼間は日が当たればポカポカ気持ちの良い日もある。
烏野高校の部室棟はありがたいことに日当たりは良い。
しかし、そこから体育館に向かう間、冷たい風に誰もがジャージに首を竦ませる。
「なんか最近部室にカメムシが多くないっすか?」
田中は半歩前を歩く菅原に声掛けた。
「確かに多いなぁ。今年は雪多いのかなぁ」
「カメムシと雪関係あるんすか??」
「カメムシが多かったり、カマキリが高いところに卵産むと雪が多いって言うよな」
菅原は田中と肩を並べるように歩みを少し遅らせながら話す。
すると二人の前を歩いていた月島がぼそりと続けた。
「それ仮説ですけどね…。ちなみにカメムシが室内に多いのは、集団越冬する習性があるからで、寒くなってくると暖を求めてロッカーの隙間とかに入り込みますよ」
「へぇ〜。月島カメムシに詳しいな!カメムシ好きなのかっ?」
後から小走りでやってきた日向が月島を覗き込むように、横からひょいと顔を出す。
「そんな訳なでしょ」
「ツッキーは、カメムシだけじゃない、他の虫にも詳しいんだぞ!」
逆サイドにいた山口は、わざわざ日向と月島の間を割って入る。
「うるさいよ、山口」
「ごめんっ!ツッキーっ!!」
月島は両サイドの騒がしさなど御構い無しに歩き、山口はそれに合わせるよう慌てて歩幅を合わせて付いて行った。
日向がそんな二人の背中を見ていると、
「てか…日向なんか臭うんだけど?」
後ろから菅原が言うので日向は振り返る。
「え??洗濯はしてきましたけど…」
「うわっ!!日向お前、背中にカメムシ付いてんぞっ!!」
「ええ!!!?うわっ!本当だ、なんか臭い!!見えない!!ちょっ、田中さん取って〜!!!」
田中が日向の背中を見なが少し離れると、日向は自分の背中を見るように右に左に、まるで尻尾を追う犬のようにくるくる回る。
「うわっ!こっち来んな!!くせー!!」
背中を田中に向けたままの日向が、後ろ歩きで田中に近づく。
絵)ゆんさん
そんな騒がしく体育館に近づく日向の背中を、入り口近くでバレーボールを持った影山がこちらを見ていた。
「日向っ!…動くなよ」
そう言って影山がフワリとボールをトスした。
バチコーン!!
絵)ゆんさん
「痛てエェ!!!」
フワリと上げたそのボール。影山はそのままサーブのごとく日向の背中に打ち込んだのだ。
痛さに仰け反った日向の背中を見て田中が呟く。
「あ…潰れた…」
「影山、コントロール良過ぎ…」
「本当、正確過ぎて怖いよね…」
苦笑する菅原と、プッと一瞬にやける月島。
「ぎゃー!!!!臭い!!何??バカなの!!?何すんだよ!影山ァァァ〜!!!!」
潰れて一段と悪臭を放つカメムシ付きジャージを慌てて脱いだ日向は、それを持って影山に詰め寄る。
「…わ、悪りぃ…ボール打ちつければ逃げるかと思って…てバカは言い過ぎだろっ!!」
さすがの影山も申し訳なく思い反省したものの『バカ』という言葉は聞き捨てならなかったようだ。
「うわ〜!!!ヤダヤダ臭いっ!!影山責任取って洗ってこいよ〜!!」
日向は半分泣きそうな声で訴える。
「なんで俺がお前のジャージ洗わなきゃなんねーんだよ!!」
日向と影山のいつもの…以上のやり取りを見兼ねた谷地が、そっと二人の間に割って入る。
「日向…私洗ってくるよ??」
「ふぇ…谷地さん優しい…。あーいやいや、そんなことしたら谷地さんが臭くなっちゃうから!!」
女神のように輝かしく見える谷地に日向の顔が輝くも、直ぐさま頭を振った。
「大丈夫だよ!普段もっと臭いビブスとか洗ってるし…」
「…………。」
谷地の言葉にその場にいた部員が一瞬固まる。
「やっちゃんってたまに、凄いことさらっと言うよなぁ」
東峰が苦笑する。
「あ、東峰さんはもっとこう特殊な…キテルモノがありますよね!!…あ!!す、すみません!!わ、私、なんということを!!!!ほ、本当にすみません!!」
「…………。」
絵)私……すみません。
ブンと音がするのでは。と思うくらい勢いよく頭を下げた谷地を、魂の抜けたような顔で見下ろす東峰。その横を苦笑する菅原と動じることのない澤村が通り過ぎる。
「それ!清水が、前にも言ってたべ!!」
「変なもの付けてくるからだろ」
そこへ男気溢れる一言。
「男は自然が一番ですよ!」
親指を突き立てて見せる西谷に、我に返った東峰が頭を下げ続けている谷地と、菅原と澤村の背中を交互に見る。
「…ワ…ワイルドな香りのつもr…」
「やめろっ!!」
振り返った菅原と澤村の声が重なったり、後ろでは日向と影山の言い合いが続いている。
いつもと変わらない烏野高校排球部がそこにはあった。
えんど。
◆◇◆◇後書き的な◇◆◇◆
このお話は私とゆんしゃんがツイッターでやった、寸劇をお話化させたものです。
とっても短いけども、プレゼントです!!
この一年も素敵な歳でありますように♡