腕の中に、愛猫の亡骸を抱いていた。
亡くなったのは、午後6時半過ぎ。その時は、夫もいた。
私は、ピクリとも動かない愛猫を撫でていた。
もともと大きく6、8キロだった子が、病気で5キロまで落ち、ある程度回復して6キロ代になっていた。
さらに腹水でお腹が大きく膨らんで、亡くなった後もその状態だった。
火葬を、個別で申し込むため葬儀店を探し、近くに見つけた。
10月初旬だったが、自宅のその部屋は寒いほど冷房をし、お線香、お水、ご飯を供えた。
翌日、通夜の為に花を買った。
翌々日、葬儀店の代表の方が、愛猫を引き取りに家に来た時に、いろいろな話をした。
立派な猫さん。何歳?
12歳と5ヶ月。
若いのね。うちも19歳と16歳で亡くなったけど、飼っていたわよ。
どうしてそんなに長生きさせられたのですか?
私は、○○先生のところばかり、連れて行くの。
猫の歯はどうされていたのですか?
その先生は、麻酔は少しだけ使う。それで削ったりする。あまり、麻酔は使わないのよ。
うちの子は、猫ドックのついでに、治療で歯も削ってもらったのだった。
ひょっとすると麻酔が原因かもしれないと、その方に言われた。
体重は5キロでも7キロでも、それほど頭の大きさは変らない。
うちの子は、頭が小さかった。
検査を受けたその時、体重は6、8キロ。
推測の域を出ないが、恐らく眠っている間に、いろいろ検査ができるからと麻酔を多めに打たれたかもしれない。
麻酔は、脳に影響する。
皮下脂肪にも影響するらしい、と後から知った。
ひょっとすると、麻酔が原因で体を悪くしていったのかもしれない、とその方は示唆してくれたのだった。
本当に、愛猫に済まないことをしたと、思った。
生涯で、こんなに泣き続けたことがないくらい、何日も泣き続けた。
他の猫たちに、こんな思いをして欲しくない、と思った。