少しづつ読んで、要約と読後感を綴ってきた「失敗の本質」も残り少なくなって、今回は日本軍の組織特性は戦後日本の組織にどのように引き継がれているのか、についてです。

 

日本軍の組織論的研究である「失敗の本質」は初版は1984(昭和59)年に刊行されているもので今から30年ほど前の本ですが、現代日本の状況にも当てはまるものがあるのではないでしょうか。

 

戦後、日本軍の組織的特性は、まったく消滅してしまったのであろうか。それは連続的に今日の日本の組織に生きているのか、それとも非連続的に進化された形で生きているのだろうか。

(略)

しかしながらわれわれは、現段階では、日本軍の特性は、連続的に今日の組織に生きている面と非連続的に革新している面との両面があると考えている。

では、連続的に今日の組織に生きている面として、政治組織と行政官庁を挙げていますが日本軍の組織的特質を、ある程度まで創造的破壊の形で継承したのは、企業組織であろうとしています。

 

それは財閥解体と公職追放により官僚制の破壊と組織内民主化が進展し、日本軍の最もすぐれていた下士官や兵のバイタリティがわき上がるような組織が誕生し、率先垂範の精神や一致団結の行動規範は、日本軍の持っていたいい意味での特質であり、日本軍の戦略発想と組織的特質の相当部分は戦後の企業経営に引き継がれているのである、としています。