藤原銀次郎氏が三井物産から王子製紙に来たのは明治44(1911)年で、彼の現状認識という勉強により会社を立て直し社長になったのが大正9(1920)年ですが、彼の働き方について「愉快に働く法十ヵ条」小島直記氏の「伝記に学ぶ人間学」より前回7月26日の続きで引用・紹介いたします。

以下、
小島直記氏の「伝記に学ぶ人間学」より

そういうことで、専務となり、社長となりますが、藤原さんが昭和13年に出した『事業学・人間学』の中でとくにご注目いただきたいのは、「愉快に働く法十ヵ条」です。
世の中には「サラリーマンとして成功する法十ヵ条」というのが多いのですが、藤原さんは成功とかなんとかということは考えておりません。

愉快に働くという考え方をするところに、一つの発想法の秘密があるわけです。
会社で出世しようということとは次元の違うところで、彼は仕事の工夫をしています。
その内容を申し上げましょう。

第一条、仕事を自分のものにせよ。

自分のやっている仕事は会社のものでもなければ、重役のものでもない。
また、これを監督したり、命令したりする部長、課長のものでもない。
自分のやっている仕事はあくまでも自分のものである。また自分のものにしてしまわなければ、愉快にもなれないし、熱心にもなれないし、したがって、能率も上がってこない。

第二条、仕事を自分の学問にせよ。

どんな仕事をあてがわれても、決してこれをバカにしてはならない。
不平不満でこれに着手してはならない。
たとえそれが外見的にいかにつまらない仕事であっても、それが全体的、機構的、本質的に持つ意義は大きい。
また、いかに慣れきった仕事、知りきった仕事であるとせられるものでも、そこに生きた学問と勉強の余地は発見される。

第三条、仕事を自分の趣味にせよ。

嫌々やっている仕事にいい成績の上がったためしはなく、また、上がろうわけもない。
愉快に働くことの仕事の第一の法は、その自分自身の仕事に大なる趣味を発見することだ。
仕事をいわゆる仕事としてではなく、趣味、道楽としてやっていくことだ。
まったく仕事に同化して仕事をやっていて、少しも仕事と思わぬようになれば、その人の幸福はこのうえもない。


上記は
小島直記氏の「伝記に学ぶ人間学」より引用いたしました。

今回は第三条までを紹介しました、第一条、第二条、第三条を見ていくと仕事に対する基本的な考え方として自分のものにする、自分の取り組むべき学問にする、そして仕事に大いなる趣味を発見するという件は非常に奥が深いものではないでしょうか。

愉快に働く法と言うのは、
まさに自ら好んで仕事という学問であり趣味に打ち込むこと、そのものに尽きるように思います。
確かに言われてみると腑に落ちるものがありますね
次回は第四条以降をみていきます。

今日は以上です。