毎週月曜日はイノベーションというテーマで日経新聞の記事を紹介・引用していますが新たな「気付き」が得られれば幸いです。
それでは2月5日の日経新聞イノベーションを前回
に続き紹介・引用いたします。
以下、2月5日の日経新聞イノベーションより
イノベーション ここを攻めろ ④
1月24日、ヤンマーが
顧客や幹部社員ら約2500人を前に山岡健人社長は「ディーゼルエンジンとの出会いが初代の運命を変えた。何とか小型化すべく開発に挑んだ結果、1933年に世界で最初に小型エンジンの実用化に成功した」と語った。
高い環境性能で注目を浴びる同エンジンは1892年、ドイツのルドルフ・ディーゼル博士が発明した。
ガソリンエンジンよりも熱効率が高く、二酸化炭素(CO2)排出量は少ない。
軽油、重油などが使え燃料代も安い。
農・産業機械に実用
1932年に初めて実用化したのは独MAN社だが、これは4㌧トラック用だった。
世界初の小型ディーゼルを実用化し、農業機械や産業機械に使えるようにしたのが山岡社長の祖父で創業者の山岡孫吉氏。
長寿CM「ヤン坊マー坊天気予報」で誇らしげに「小さなものから大きなものまで/動かす力だヤンマーディーゼル」と歌っているのはこの経緯があるからだ。
「2010年のディーゼルエンジン生産台数で1~6位は仏プジョーシトロエングループ(PSA)、伊フィアットなど自動車会社が占めた。
うちは7位だが、クルマを除く産業用では首位」とクボタの佐々木真冶エンジン事業部長は話す。
自動車用に比べて産業用は頑丈で連続運転に強い。
「ポンプや発電機の駆動はクルマでいえば坂道を何日も上り続けるようなもの。高付加の仕事なら自動車用に絶対負けない」と言い切る。
同社は粒子状物質(PM)を現行の第3次規制に比べて95%以上減らす第4次排ガス規制(今年発効)を満たし、昨年7月1日、米カリフォルニア州大気資源局の認証を得た。
排気量4㍑以下のエンジンとしては世界初。
燃料の多段階・高圧噴射や電子制御、PMをこしとるフィルターを組み合わせた。
目詰まりする前に燃焼温度を上げてPMを燃やし尽くすフィルターの自動再生機能が売り物だ。
オイルタンカーやコンテナ船用のエンジンはMAN社が設計した低速ディーゼルが世界市場の7割を占める。
実際に製造するのはライセンス供与を受けたアジアの企業が多い。
基本設計通り忠実に製造する韓国・中国勢に対し、日本勢は燃費向上や排ガス浄化の機構を独自開発し、付加価値を高めてきた。
「低速」に独自機構
国際海事機関(IMO)は船舶が出す窒素酸化物(NOX)への規制を段階的に強化している。
通常の浄化装置ではエンジンから出て過給器を回した後の排ガスを処理する。
ところが低速ディーゼルはもともと熱効率が高いために排ガスの温度が低く、浄化装置の触媒が性能を十分発揮できない難点があった。
日立造船は尿素水と触媒でNOXを水と窒素に分解する処理装置を過給器の手前に設置した。
「高温・高圧の排ガスが使えて触媒の性能が高まり、装置も小型化できた」と中尾徹主席技師。
IMOが定める第3次規制に世界で初めて対応したこのエンジンを積んだばら積み貨物船が実証試験に入っており、データを収集中だ。
「カナダのバンクーバー港からは入港すれば港湾使用料を割り引くと申し出があった」ほど注目度は高い。
同じMAN社の設計に基づくにもかかわらず三井造船の低速ディーゼルは他社製よりも値段が高い。
それでも船主から指名買いが入るのは、運航コストやトラブルの少なさで定評があり、中古船で売る時に高値が付くからだ。
「最近は過給器の性能が上がり、エンジンに空気を送り込むだけでなく、パワーの一部を油圧に回す余裕ができた」と田中一郎機械工場技術開発部長は話す。
油圧を回転力にかえる油圧モーターで、エンジンをアシストする機構を開発。
実証試験では2~4%の省エネ効果を得た。
欧州では乗用車販売の5割以上をディーゼル車が占め、技術面でも欧州勢が優勢だ。
しかし日本勢は産業用や舶用などの分野で存在感を示す。
カギは環境対策にある。
(編集委員 竹田忍)
上記は2月5日の日経新聞イノベーションより引用いたしました。
環境対策や省エネ効果でディーゼルエンジンの付加価値が見直されることで新たな事業展開がイノベーションにつながることを期待したいと思います。
今日は以上です。