先週11月18日の日経新聞「大機小機」欄に現在の資本市場について考えさせる記事が掲載されていましたので紹介・引用させていただきます。


以下、11月18日日経新聞「大機小機」欄より


ここに来て世界経済の先行きに再び暗雲が漂い始めた。

南欧の財政危機は収束せず、ユーロ圏で国債発行残高が最も多いイタリアへと波及、国際通貨基金(IMF)の監視を受ける事態となった。

財政危機は金融危機へと展開しつつある。

金融危機は資産の劣化を通じ資本を毀損するため、広範な信用収縮を招く。


米国でも実質ゼロ金利の長期化が示唆され、リーマン・ショック以降のバランスシート調整に相当の時間を要するとの見方が強まっている。

欧州でも米国でも、返済が見込めるか疑わしい対象に過大投資をした調整過程にあり、1990年代にわが国が経験した歴史的なバブル崩壊過程と重なる展開だ。

まさに日本化現象である。


こうした状況下、わが国投資家の資本市場離れが進み、株式投資は言うに及ばず投資信託さえも急減速が鮮明だ。


今から15年ほど前に「金融ビックバン」が宣言されて以来、「間接金融から直接投資へ」「貯蓄から投資へ」を合言葉に、法整備などを通じ、わが国の資本市場を世界に通用する市場にすべく体制が整えられてきた。

しかし皮肉にも投資家のスタンスは「投資から貯蓄へ」と舵(かじ)が切られつつある。

年金基金などでも日本株式への投資割合は一段と削減されつつある。


資本市場の長期低迷の理由は多岐にわたる。

オリンパスや大王製紙を巡る問題が表面化したように上場企業のコーポレートガバナンス(企業統治)の課題が改めて指摘されていること、説得力ある成長戦略を欠いたまま大手企業や金融機関の増資が繰り返されたこと、多くの上場企業の資本利益率が一向に改善しないこと、などなどである。


しかし最も重要な問題は、国民が主役となる長期の投資家が報われていないことにある。

老後の資産形成の一環として導入された従業員持ち株制度では資産が毀損し、企業年金の主役とされる確定給付年金は運用利回りの低迷で積み立て不足に喘ぎ、新たに導入された確定拠出年金では多くの加入者がマイナス運用に沈み、個人の株式投資と投資信託では期待したリターンが得られず、多くの国民の金融資産が傷ついている。


これだけ長期間にわたって痛い目にあえば投資家の資本市場離れが起きて当然だろう。

「投資家なくして資本市場の再生はない」。

この真理を市場関係者は真摯に受け止める必要がある。

                                             (自律)

上記は11月18日日経新聞「大機小機」欄より引用いたしました。


資本市場のこれだけ長期間に亘る低迷は国民資産の毀損ということにつながっているだけに市場と企業の再生が求められると言えるのではないでしょうか。

今日は以上です。