多様性が能力に勝る、ということからユーザーの知恵を生かす仕組みとしての具体例を前回11月4日の続きでPRESIDENT 2011.10.17 掲載記事から紹介・引用いたします。
以下、PRESIDENT 2011.10.17 掲載記事「ビジネススクール流知的武装講座」より
ユーザーの知恵を製品開発に生かす良品計画の仕組み
実はそうした取り組みを他社に先駆けて実践し、成果をあげている企業がある。
無印良品ブランドで世界展開している良品計画がそうだ。
同社は誰もが製品開発に参加でき、製品化の判断まで消費者起点で行う製品開発を行い世界から注目されている。
インターネット技術の発達で不特定多数の消費者が企業の新製品開発のアイデア創造に参加できるようになったのは00年前後である。
無印良品はその流れに乗り、00年から製品アイデアの創造を社外の不特定多数の消費者に委ねる新しい方式を採用した。
同ブランドはネット上に消費者参加型の開発サイトを立ち上げ、消費者なら誰でも自分が欲しいと思う製品案を投稿したり、製品候補案に対して投票できるようにした。
開発過程は誰でも閲覧でき、製品化の決定も消費者による投票結果に愚直に従うというものにした。
無印良品が採用した製品開発の手法は製品開発のアイデアを群衆(crowd)から調達(sourcing)するという意味でクラウドソーシング(crowdsourcing)と呼ばれている。
ではクラウドソーシングは教科書的なマーケティング調査(製品開発法)や本連載で紹介したリードユーザー法とどこが違うのか。
少し回り道になるが整理しておこう。
まずクラウドソーシングは製品のアイデア創造段階にユーザーを組み込むこと、ニーズ情報だけでなくソリューション情報もユーザーから収集するという点で伝統的マーケティング調査と異なる。
この点についてはリードユーザー法もクラウドソーシングと同じだ。
第二に、クラウドソーシングは他の二つの手法よりはるかに多様で多数のユーザーを対象に情報を収集する。
伝統的手法はターゲットを絞り、そのターゲットを中心にランダムサンプリングしたユーザーから情報を収集する。
また、リードユーザー法はリードユーザーと呼ばれる特定のユーザーをピラミッティングという手法で探し出し、彼(彼女)らから情報を収集する(リードユーザーとピラミッティングについては11年5月30日号で紹介した)。
他方でクラウドソーシングはインターネットを通じてニーズ情報や製品案(ソリューション情報)を募集する。
伝統的手法やリードユーザー法よりもはるかに多様で多数のユーザーに対して広域探索(broadcast search)をかけるのである。
その結果、多様・多数なユーザーの中から自己選択(self-selection)したユーザーたちが自分の求めるニーズやそのニーズに対するソリューション情報を集団的に投稿してくることになる。
クラウドソーシングでは誰でもいつからでも製品開発に参加することができるようになっている。
そこで生まれるユーザーの多様性が社内専門家の能力を超えた新規性や独自性の高い製品を生み出すことになるのだ。
さらにクラウドソーシングでは製品過程を誰でも閲覧できる、つまりオープン化されている場合が多い。
伝統的製品開発やリードユーザー法では開発過程をユーザーが見られる場合はほとんどない。
開発過程のオープン化もクラウドソーシングの特徴の一つだ。
上記はPRESIDENT 2011.10.17 掲載記事「ビジネススクール流知的武装講座」より引用いたしました。
多様なニーズとニーズに対するソリューション情報、そしてオープン化がクラウドソーシングと言うものを特徴づけていると思います、消費者と一緒になっての製品づくりが新たな展開を促すことにつながるのではないでしょうか。
今日は以上です。