前回10月28日はクラウドソーシングについて具体的なケースを企業の実例をひいて解説したPRESIDENT 2011.10.17 掲載記事から引用しました。

企業内の専門家が解けなかった問題の約三分の一を社外の「誰か」が解いているということの10月28日 のブログの続きを紹介・引用いたします。


以下、PRESIDENT 2011.10.17ビジネススクール流 知的武装講座より


多様性が能力に勝るための四つの条件


その「誰か」とは誰か。

コンテストへの応募登録者は多様を極める。

登録者数は14万人以上、170ヵ国以上から成る。

専門分野も天文学や分子生物学から物理・化学やコンピュータ・サイエンスまで様々だ。

最優秀解答者は最先端の分野を研究する科学者ではないかと予想していた依頼企業が実はダラス大学の学生だったとわかり驚いたといったことがしばしば起こるという。


ボッコーニ大学のラーズ・イェペッセンとカリム・ラカーニによる別の研究によれば、例えば物理・化学の課題を分子生物学を専攻する者が解決するといったように、もともとの専門分野から離れた専門知識を持つ応募者が問題を解決する傾向があるという。

しかも最優秀解答者の72.5%がすでに自分か他人が以前に解いたことのある解を参考に課題の答えを出しているというのだ。


InnoCentive.com
の事例は大手企業の精鋭集団が解けなかった問題を社外の専門外の人たちが解いてしまうというものだ。

つまり不特定多数の素人集団を凌ぐことがあることを示している事例なのだ。


InnoCentive.com
で起こっている現象をミシガン大学のスコット・ペイジは理論的に説明している。

そこでカギを握るのは多様性VS能力という視点だ。


ペイジはある条件の下では「多様性が能力に勝る」ことを理論的に明らかにした。

ある母集団から二つの集団をつくる。

一つは問題解決能力が最高の集団、もう一つが能力は第一集団より劣るが多様性を持つ(無作為に選ばれた)集団だ。

ペイジはこれら二つの集団に同じ問題に解答してもらうシュミレーションを行った。


結果は驚くべきものだった。

多様性を持つ集団が最高の能力を持つ集団よりよい結果を出したのだ。

比喩を使うとこうなる。

前人未到の高く険しい山を登る場合に、最高の能力を持つ集団は皆同じ道を通って登頂しようとする。

それに対して多様な集団は様々な方向、様々な方法を使って登頂に挑戦する。

結果として多様な集団のほうが山頂に到達できる確率が高くなるというわけだ。


もちろん多様性が能力に勝るためには四つの条件がある。

①問題が難しいこと、

②問題を解決する人たちの視点や問題解決に使う思考手段が多様であること、

③集団のメンバーは大きな集団の中から選ばれること、

④選ばれたメンバーの数が小さすぎないこと、だ。

ペイジの結果によると難しい問題は解決を社内の特定の専門家に委ねるよりもむしろ社外の専門外の人たちに広く依頼したほうがよいということになる。


その意味で、InnoCentive.com の事例はまさにペイジの理論を実践で証明していたのだ。

取り組む難度が高いということで言えば、製品開発もペイジの理論を応用できる対象になるはずだ。

だとすれば社外の多様で多数の消費者に製品開発に参加してもらうという手法は社内の専門家集団による製品開発より、よい成果を生むかもしれない。


上記はPRESIDENT 2011.10.17ビジネススクール流 知的武装講座より引用いたしました。


知恵活用として多様性が機能する条件の中で面白いのは問題が難しいこと、というのは社会的なニーズを解決する手段として活用できるように思います、次回は製品開発のケースを見ていきます。


今日は以上です。