「佐藤可士和のクリエティブシンキング」も前回辺りから佳境に入って来た気がしていますが、それだけ難しくなっているのかも知れません。


ただ、読む方の立場から言えば難しいとか易しいということではなく私自身が読んで得るものがあれば十分だと思えればそれでいいように感じています。


今回は第九節「お客様目線とお茶の間目線似て非なるユーザーと世間をどう読みこなすか、ということですがタイトル通りに理解すればいい様に思っていましたが言われてみればということに気付かされた次第です。


「お客様目線」という「お客様」というのは、ごく当たり前に消費者である我々自分自身を想定しがちですが実は企業側にとっては自社の商品を買ってくれるであろう人を前提にしているということで「お茶の間目線」という言い方は一般の生活者目線という見方をしているということが今回のテーマということです。


「お客様目線」という言葉自体がすでに買ってくれることを前提とした企業側の見方に対して、あくまでドライな割り切った目線で観察しているのが「お茶の間目線」とでは微妙なズレが生じていることを改めて教えられました。


広告というのは日常的に触れているものですが、それだけに広告に意識を向けていることはほとんどない、というのが現実で広告は溢れているものの見る側の意識は無関心で当然ということです。


だからこそ生活者“お茶の間目線”がポイントになるという著者の見方です。


ここで著者が手がけた「スーツセレクト」のブランディングを事例として取り上げていますが紳士服量販店を展開するコナカとフタタが経営統合し、その最初のアクションとしてツープライス業態のブランドをリニューアルすることに関与され、そのブランディングを引き受けられたことをケースを事例とされています。


商品構成を時代のトレンドを取り入れたラインと定番的でベーシックなラインの2つに絞りツープライスということから2つの価格帯の掛け合わせで4択にされたことで「お茶の間目線」で分かりやすく選びやすくなったことを取り上げられています。


それまでの「スーツセレクト21」は2つの価格帯に対して3つのスーツの型のラインアップがあったのですが、各ラインアップが持つ個性の違いが微妙で何を基準に選んだよいのかが曖昧でした。


こうしたディレクションに対しては、社内の商品製作担当のスタッフからは好意的な反応があったとされています、製作担当者からは今まで3つの商品ラインに差をつけるのが微妙で難しく作りにくかったということで、たくさんの選択肢が商品の特徴を曖昧にし分かり難くしていたようです。


この辺りが「お客様目線」「お茶の間目線」のズレということなのでしょう。


今回は確かに今までに比べると難しく感じましたが「目線」ということに焦点をおけばある意味で単純化して考えられるように思いました。


今日は以上です。