昨日の続きで去年11月26日に日経産業新聞に掲載された小林製薬についての後半部分を紹介いたします。
前半部分の記事はコチラ を御覧下さい。
以下、2009年11月26日日経産業新聞、掲載記事より
消費者に密着する製品開発活動は自宅訪問にとどまらない。
モニターとなった消費者に体の悩みやその悩みが気になった生活風景などを毎日書き留めてもらう「日記調査」もその一例だ。
「孫にどんな虫が鳴いているのかを尋ねられたが、耳鳴りで聞こえなかったので楽しい会話が台無しになった」
日記調査により、こうした悩みを持つお年寄りが多いことが分かった。
小林製薬では潜在需要は大きいと判断、耳鳴り改善薬「ナリピタン」を開発、07年に発売した。
一般用医薬品(大衆薬)で耳鳴り改善薬という分野はなかったが、初年度に7億円を売り上げ、新市場創出に成功している。
薬粧品事業部マーケティング部の轟雅樹氏は「製品を望んでいる人を想像できなければ開発は進まない」と語る。
小林製薬がニッチ需要を積み重ねる姿勢に徹している背景には同社の生い立ちがある。
もともと卸売業だったため、製造事業に本格参入する際、仕入れ先であるメーカーの邪魔をしないことが前提となった。
それにはこれまで誰も手をつけてこなかったニッチ市場を狙うしかなかった。
ニッチ狙いで成長するには矢継ぎ早に新製品を出すしかない。
そのため、新製品には全社一丸で取り組む社風が根づいている。
経理や広報なども含めたグループの全従業員約2300人が新製品のアイデアを出す。
アイデアの総数は年間1万5000~2万件に達する。
小林豊社長は「既存製品の売上高が5%減っても売り上げの10%を新製品で稼げば、全体で5%増収だ」と強調、新製品創出を促している。
その象徴が社員に配備されたパソコンの画面に表示されている「アイデア提案」と呼ばれるアイコンだ。
社員が新製品のアイデアを思いついたとき、このアイコンをクリックすれば、担当部門に提案できる仕組みになっている。
ドラッグストアなどを訪れ、新製品開発のネタ探しに余念がない社員もいる。
間接部門のある社員は「新製品を考えるのが習慣になっている」と語る。
経営陣が出席する月一度の新製品開発会議。
「お客さんはなんと言ってるんや」。
小林社長は顧客の潜在需要が本物なのか担当者に質問を投げかける。
担当者は地道な努力で集めた情報に基づき、疑問に答える。
こうしたやり取りが好業績の原動力となっている。
新製品寄与率10%前後
小林製薬の強みは「消費者の生活スタイルをも変えてしまう製品を投入することによって新市場を創出できる力」(みずほ証券の佐藤和佳子シニアアナリスト)にある。
全売上高に占める新製品(発売後1年以内の製品)の寄与率は10%前後(単体ベース)を保ち、肥満改善薬「ナイシトール85」が貢献した2007年3月期は寄与率が20%に迫った。
同社の売り上げ規模は1000億円強(単体ベース)と小さいが、国内シェアトップの製品は主なものだけでも8つある。
「規模の割りには新製品の開発力は強い。
ニッチ市場を切り開いてきた結果」(佐藤氏)。
シェアの高さは価格決定の主導権にもつながる。
消費者の低価格志向が強まるなか、利益を高水準に維持できている原動力にもなっている。 (新沼大)
上記は2009年11月26日日経産業新聞、掲載記事より引用いたしました。
アイデアとニッチ需要の開拓については非常に参考になるとともに、そこに至るまでの情報の集め方なども勉強になり私も真似てみるつもりです。
以上です。