マーケティング誌I.m.pressと言う雑誌に連載されているネットライフに潜むビジネスのヒントとして四家正紀氏のインターネット探検団第二段を紹介させていただきます。
ネットツールの発展に伴い進化するネットコミュニティ
ネットの世界で起こっているさまざまな事象をすくい上げ、その背景と本質を探る“インターネット時代の語り部”四家正紀氏による連載企画の第2回目。
今回は巷でも話題になった「毎日デイリーニューズWaiWai問題」について、ネットの世界ではどのようなことが巻き起こっていたのか解説していただきます。
(株)カレン 次世代ビジネスリサーチ室長 四家正紀氏
先日、この連載を読んでいた弊社の社員から「一人で書いているのに探検“団”なんですね」と言われてしまいました。
どちらかというと「探検・談」に近いのかもしれませんが、ここはひとつ、読者の皆さんとご一緒にネットの世界を探っていく企画ということで、お付き合いをお願いします。
今回は「毎日デイリーニューズWaiWai問題」について取り上げてみたいと思います。
すでにご存知の方も多いかと思いますが、毎日新聞社の英文サイト「毎日デイリーニューズ」の中のコラム「WaiWai」に他の夕刊紙や週刊誌から無断引用した低俗で扇情的な記事をさらに捏造して掲載していたという問題です。
記事の内容はそれはひどいもので、「息子である中学生の性欲処理をする日本人の母親」「ファーストフードで性的狂乱状態になる女子高生」と、ここに書き写すのも気分が悪くなります。
信じがたいことに、こうした記事が大手新聞社サイトを通じて全世界に配信され、とんでもない誤解をばら撒いていたのです。
今年(2008年)の4月ごろからネット上で話題になったこの問題は、2ちゃんねる利用者の有志を中心にした抗議活動へとつながっていきます。
事態を甘く見ていた毎日新聞社の対応のまずさもあり、ネット世論はますますエスカレート。
ニュースサイト「毎日.jp」の広告出稿がほとんど取りやめになる事態に至り、結局「正式な謝罪と英文版サイトの全面刷新」へと踏み切りました。
ネットコミュニティの世論が抗議活動につながり、大手マスメディアを窮地に追い込んでしまったわけです。
今、グーグルで“毎日新聞”を検索すると、かなり上のほうに「毎日新聞の英語版サイトがひどすぎる・まとめ@Wiki」が出てきます。
ここでは現在160人のユーザーが情報を書き込んでおり、抗議の連絡先や行動規定なども明記され、さながら市民運動の本拠地のようになっています。
運動のひとつに“電凸(デントツ:電話突撃の略とされる)”があります。
企業のお客さま相談窓口に電話で質問を行い、そのやり取りを録音、テープ起こしをして、Web上に公開するのです。
一般市民からの質問に対する企業の応対を赤裸々に公開することで、その企業の問題意識や体質を暴こうとする、ある意味、ジャーナリスティックな、しかし、企業にとってはひとつの圧力であることには間違いない、非常に対応の難しい手法です。
抗議行動の中では、毎日新聞社だけでなく、その広告クライアント企業に対する“電凸”が実施され、ネット世論に大きく影響を与えるとともに、抗議行動に拍車をかける役目を果たしていました。
明日に続けます。
※私も検索してみたらやはりありました。