昨日の続きで日経産業新聞に連載された変調ネットビジネスのコラム記事を紹介させていただきます。


以下、コラム記事本文


検索連動型広告は利用者が検索のキーワードを入力した際検索結果の先頭に出てくる文字広告もともと関心のある人を捕捉できるため、やみくもにバナーを張るよりも効果が高い。


検索連動型広告の発想を進化させ、バナー広告の効果を高める技術も登場している。ネット利用者の興味や好みに合わせて広告を出す「行動ターゲティング」と呼ぶ手法だ。すでに全日空などは導入を始めている。


例えば沖縄や北海道、温泉などのキーワードで検索した履歴のある人がヤフーを訪問した際に、全日空の広告がヤフーに表れる。

旅行に関心のある人のみに広告を見せられれば、航空券の予約率が高まる可能性が高い。

全日空は、全体の広告費が頭打ちの中、ネット広告だけは増加している。


独BMWの日本法人、ビー・エム・ダブリュー(BMW、東京・千代田)は2008年のネット広告予算は07年のほぼ二倍に増やした。

このうち三割程度は検索連動型広告で、増加率は従来のバナー広告よりも高い。

行動ターゲティングについても「導入していきたい」(マーケティングディビジョンの近藤孝明ニューメディア・シニア・プランナー)


新手法を駆使


こうした企業の動きに対応してネット広告会社では効果の分析力や新しい手法を駆使し、新規顧客の獲得に知恵を絞り始めている。

07年に電通と資本提携し、いち早く大手の開拓に照準を合わせたオプト。海老根智仁社長は「顧客のサイトと広告を解析する手法を強化していく」と戦略を語る。


広告から誘導した利用者が、顧客のサイト内のどんなコンテンツを見たのか。

オプトはネット広告だけでなく、誘導後の利用者の動きも詳しく分析できるソフトウェアを自社開発しており、その精度をさらに高める。

広告効果の測定と合わせ、サイト内のどこで客を逃がしたか、どのコンテンツが人気かなど詳しく調べ、サイトの改良まで請け負う。


セプテーニは競合他社に先駆けてアドネットワークの専門部署を十月に新設した。

アドネットワークは複数のサイトを束ねて広告を配信する手法で、広告主は自社の商品やサービスに合う複数サイトに効率よく広告を配信できる利点がある。

ここ一年で注目が高まった手法だ。


最大手のサイバーエージェントは十月、インターネット広告事業本部に大手企業など新規顧客を開拓する「第三営業部」を新設した。

これまで第一営業部の中に新規開拓の担当者が十人いたが、これを部に昇格させ人員を約四倍に増強。第三営業部統括の一志 肇氏は「総広告費で国内上位百位に入る大企業が、いよいよ09年度からネット広告に本腰を入れてくるだろう」と期待する。


すそ野拡大へ


ネットの広告主はこれまで金融、不動産、人材関連、情報通信、通信販売などが主流だった。

ただ世界的な景気後退を受けて企業は広告宣伝費を絞り込んでおり、広告効果がわかるネット広告へのシフトしつつある。

広告主のすそ野はこれまでと異なる業界へ、大手企業へと急速に広がりそうだ。


ネット業界に変化が起きている。

ネット広告の選別の動きに加え、ポータルサイトやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に目を向ければ、顧客の争奪戦が激化。

ネットベンチャーは投資を得られず夢を描けない状況に陥っている

ネットビジネスの変調を追う。



後は来週に続けます。