オバマ大統領就任については明日に書かせていただきます。


今日は先週の日経MJのコラム記事でヒントをもたらしてくれそうなのが見つかりましたので紹介させていただきます。


以下、掲載記事


底流を読む       前回不況に学ぶ消費性向


「厳しい」「不透明」との言葉が飛び交う年明けとなった。

十年余り前の不況期の年頭にも、大手小売業トップが口々に、「出口が見えない」といった発言をしていた。


前回不況の最悪期をいつとするかには、様々な指標がある。

日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)の「全国小売業月次動向調査」は、小規模小売り、飲食、サービス業などの売上DI値により、小さな店の景況感を示したものである。


この数値が最も悪化したのは、98年春から秋にかけてである。

直近の各業種のDI値(08年11月)を見ると、小売りは当時より悪く、サービス業はほぼそれに近い。

飲食業も悪化している。

売る側の気分としては、ほぼかっての最悪期に近い状態にあるといってよい。


98年の景況は、こんな風に推移した。

99年の春から秋にかけて、有効求人倍率は0.5を下回り最低水準になった。

2000年にはそごうが倒産、倒産の負債総額がピークに達した。2001年にはマイカルやセゾングループが行き詰まり、倒産件数が最高を記録する。

03年春に失業率が最悪の6%近くにまで達した。


今回が同じパターンをとるわけではないだろうが、本当の「厳しさ」は、小さな店が「売れない、ひどい」と感じた時から始まるのかもしれない。

前回不況時にも、「個人金融資産が千数百兆円あるのだから、内需喚起を」といった声があったが、消費に弾みはつかなかった。


倒産や失業の不安がある時にどんなにかけ声をかけたところで消費が盛り上がるわけではない。


また、年金、医療、介護など、本来は国民に安心を与えるための社会保障制度、「逆に不安を与えている」ことを懸念しながら、大手のトップはこれらが消費者心理に影響し、「いつまで続くかはともかく、今年は私が流通業に携わって、最悪の年になるのは間違いない」と言い切る。


そして、「不透明」なのは、いま生じている問題のスケールが大きく複雑なほかに、回復への道筋、回復した時の消費の局面が見えないためである。


すでに自動車、パソコン、携帯電話などの売れ方は急速に変化しつつある。

いったん立ち止まって、財布のヒモをしめ考え直した消費者が、以前の消費のスタイルに戻るとは考えにくい。

消費もビジネスモデルも、局面(フェーズ)は確実に変わるのである。


前回不況のさなか、01年の本紙ヒット商品番付では、「安さ・安全」「本物」「単純明快」の意で、キーワードを「安・本・単」とした。

しかし、「安全」「本物」はなおざりにされ、幾つもの企業が消えていった。

新しい局面を予測はできないが、過去から学ぶことはいくつもある。

                                  (編集委員 山形健介)


以上です。


※売上DI:良いと答えた企業の割合から悪いと答えた企業の割合を引いたもの

DIとはデフュージョン・インデックスの略