昨日はどうしても都合上、ブログを書くだけでペタ返しが出来ず申し訳ありませんでした。ペタ返しについては今週中はやる予定にしていますが、来週からは見直しを考えています。


さて、今日の内容は日経ベリタスという週間新聞がありますが、その中ナルホドと言う記事がありましたので是非紹介したいと思います。

読まれた方もおられるかと思いますが、良ければもう一度目を通していただければ幸いです。


以下、本文


MONEY STYLE          早大理工学術院教授  高西淳夫


電動で動く義手がある。


例えば、手首から先を事故や病気で切断してしまったとしよう。けれど、腕には脳からの指令で筋肉を動かす神経が残っている。

この神経にセンサーをつけ、脳からの微弱な電流である“筋電”を拾って電子回路に通すと、手を握るように指令する筋電なのか、開くように指令する筋電なのかを判別できる。


筋電の電気信号を実行電動義手を切断部につければ、自分の意志で手を握ったり開いたりできる。いわばロボットの手だ。


電動義手は私の指導教授の加藤一郎先生が1975年に開発。治験も実施し、愛知県の企業が販売した。

片腕が約50万円。10年くらい前に、同社の展示ブースを訪ねる機会があった。

発売から20年以上たち、技術は格段に進歩したが、20年を過ぎてもまったく同じ義手が売られていた。


何で作り直さないのか、その企業に聞いた。すると、「改良したら厚生労働省に治験をやり直すように言われるから」だという。

治験には何億円もかかるので、中小企業には負担できず、改良せずに売り続けるしかないそうだ


そのため、「最近はこっちの製品を売っているんですよ」と、ドイツ製義手を見せられた。価格は90万円。

車の性能に例えるなら30年前のスバル360と現代のポルシェくらいの差があろうか。倍くらいのお金でポルシェが手に入れば、多くの人はポルシェを買うだろう。


悲しいことに、その企業は5年ほど前に電動義手の販売を中止した。

逆にドイツの義手メーカーは、その後、日本支社を設立し販売を拡大している。

またひとつ、日本の技術の火が消えた。


ホンダやトヨタ自動車などが、ヒューマノイド(人型)ロボットをいろいろ作っている。

2足歩行や車輪式、キャタピラ式。いずれも実現可能な技術になった。

最も難しいのが人間そっくりの“手”をつくること。


工場で動いているロボットの手に相当するグリッパーでは、くっついている新聞を器用にめくるのは難しい。


人体そっくりに動かせるハンドができたら、ロボットの世界では革命的だ。とはいえ、制御する高度な知能の開発が難しく、自律的に動くロボットハンドが生まれるまでにはもう少し時間がかかりそうだ。


しかし、ハンドを制御するのが人間ならば現時点でもかなり高性能なハンド(義手)を作れる。日本の技術と、自動車メーカーのような量産能力を活用すれば、あっという間に値段も下がる。


けれど、日立製作所とか東芝、三菱重工業といった日本の大企業は、義手のようなロボット機能を持つ医療・福祉機器に正面から切り込まない。

開発にお金を使っても、日本は薬事法の壁でいつまでも実を結ばないからだ。


米国発の金融危機で日本企業の株価も低迷しているが、工学者の私の目には、せっかくの潜在力ちょっとした障害で発揮できないだけにみえる。



以上です。