昨日は日経平均が800円を超す大幅な下げでほぼ全面安の展開でした。
私個人としては、ここまで来れば開き直って大の字になる気持ちで耐える覚悟を持つことが肝腎かとも思います。
それでは覚悟を教えてくれる伊藤 肇の「喜怒哀楽の人間学」を今日も皆さんと一緒に見ていきましょう。(この本は昭和53年に書かれています)
以下、本文
中央の舞台で華々しく活躍できる実力をもちながら、敢えて、郷土発展のために一生をささげた宮崎交通相談役の岩切章太郎の師は宗教家の木津無庵だった。
「その出会いは、先生が全国の師範学校の生徒に正しい仏教を身につけさせたいと行脚(あんぎゃ)しておられる最中だった。
最初、宮崎へお出でになった時には、お目にかかれなかったが、その時、師範学校で配布された『仏教の精髄』という小冊子をみて、私は深い感銘を受けた。
以来、二回目以降は、ずうっと先生がおいでになるとついてまわった」という。
たまたま、そんな最中に日向中央銀行がつぶれかけて出馬を懇請された。
ところが、年が若い上に銀行経営の経験などは一度もない。おまけに宮崎農工銀行の監査役をやっていた関係で同業の日向中央銀行の内容は知悉していた。
それは、最悪の事態に陥る可能性のほうが強い状態だった。
しかし「一応、考えさせてもらいたい」と一日の猶予(ゆうよ)をもらって、一晩、まんじりともせずに考えた。
<行き詰まったものをひき受けるのが、自分の生き方の基本だから、たとえ、日向中央銀行がどんなに苦しい事態であろうと、逃げるという手はない。仕方ない、ひき受けよう>と決意した。
だが、同時に自分自身にいいきかせた。
<何といっても、再建というのは難しい問題だから、きっと、いやなことや苦しいことがつぎつぎと起こってくるに違いない。もし、自分が頼まれてひき受けたのだと考えていると、必ず、心中に不平不満が起こってくるだろう。
不平不満が起こったら、自分自身も不愉快だし、仕事もうまくいかぬことになる。
そうなってしまっては、再建もうまくはいかぬだろう。
ならば、今、ここで自分の考えを転換しなければならない。
俺は、日向中央銀行へ頼まれて入るのではない。自ら進んで、自ら求めて入るのだ、と>
今日はここまでにして明日に続けます。