アブラハム・グループ・ホールディングスとその創業者、高岡壮一郎氏に関する続きですが、以下はある雑誌からの掲載記事の引用、紹介です。
以下、本文
商社に入って七年目のニ〇〇五年八月、高岡はアブラハム・グループ・ホールディングスを創業、代表取締役社長に就任する。
その社名は「人間は自己実現に向って絶えず成長する生き物」と説いた心理学者、アブラハム・マズローに由来する。
当初、高岡には「富裕層」に特化する考えはなかった。転機となったのは、同社による最初の事業、東大出身者限定のSNS「東大OBネット」だった。
当時はまだ、ネット上での実名交流は受け入れられないと言われていた頃だが、高岡はそれが誤りであることを肌で知る。
「結局、彼らが恐れていたのはネットの脆弱性でした。安全性を保ち、かつ真面目な人間が運営していることを告知できれば、どんな立場の人でも利用されるものと知りました」
結果、この「東大OBネット」の中に数多くの富裕層が存在した。会員相互の身元保証がなされ、しかも個人情報などの安全性が守られることを知るやいなや、そうした人たちは次々と高岡らに要望を出していく。
たとえば、富裕層向けの投資情報サービスがその一つ。
日本の金融機関では銀行法によって情報提供を行ないにくい海外のヘッジファンドなどを、積極的に紹介した。
特徴的なのは年単位の中長期的な投資を推進すること。「スイスのプライベートバンクのような役割を果たしたかった」と言うように、資金ロットの大きさを活かすことに着目した。
また一般のサラリーマンに向けた投資情報も月五万円から提供しており、こちらは将来的な富裕層の創出を念頭に置いている。
こうして様々なノウハウを蓄積していき、会社創設から一年後のニ〇〇六年、高岡は満を持して「YUCASEE」をリリースする。
その特性上会員数は非公開だが、安全性と利便性、そして富裕層という特色を最大限に活かしたこのプライベートクラブはクチコミで一気に広がり、アブラハムはさらなるノウハウの蓄積に成功する。
投資情報や事業戦略のみならず、今では日本の富裕層に着目した海外企業のマーケティングにも活用されているという。
日本の人口における富裕層の割合はニ%程度といわれる。しかしこの層が日本の金融資産の約ニ〇%を握っているという試算もある。
もし、アブラハムがこのニ%を掴むことができれば、日本全体の二割近い資産に対して影響を及ぼす素地ができるということになる。
以上ですが、この会社の今後の展開に注目して更新していく予定にしています。