アートディレクター佐藤可士和氏の日経産業新聞掲載コラム「クリエーティブをひとつまみ」紹介する10月7日の“ブランドのビジジョン構築”の続き、後半部分です。


以下、本文


問診によって集めた情報にいかに優先順位を付けて、ビジョンをつくりあげるか。

そのためには客観的な「視点」の導入が不可欠です。そこで、コナカに問診する前に先入観を捨てて現状を知るため、実際にスーツセレクト21に行ってみたのです。


スーツを試着してみてその質の高さに「えっ、この値段で買えるの」と、驚きました。

「安いのでそこそこのものでは?」

というのが、足を運ぶ前の正直な考えだったのです。同時に、「もったいない」という考えも浮かびました。

店のロゴや内装などが、スーツの質の高さをうまく表現できていないと感じたからです。


このツープライスという業態にも強く興味を引かれました。値段が 二種類しかないため、スーツをとても選びやすいからです。

若者はスーツを着慣れていないことが大半。紳士服店に行っても全部同じように見えて、何を買っていいのか分からなくなるものです。

この合理的なシステムこそ安い以上の強みになると思いました。


問診で得た情報に、業界の目を離れた客観的な視点を持ち込んで、優先順位を付ける。その結果、「シンプルでフェアな売り方」こそが、この業態の最大の強みと感じたのです。


この良さをいかに伝えるかが、今回のビジョンです。


表現の土台は整いました。次回はここからいかにデザインに落とし込んでいったのかを紹介します。



以上です。


この続きは来週に紹介いたします。