今日はコラム、「クリエーティブをひとつまみ」の続きを紹介する予定でしたが、29日の米下院は不良資産買い取りを柱とする金融安定化法案を否決したことで急遽、予定を変更し、この問題を取り上げました。
この金融安定化法案の否決を受けて金融危機を懸念したニューヨーク株式市場は777ドル安となり「ブラック・マンデー暴落」以降で最大の下落率を記録しました。
そしてこの米国発世界連鎖株安は30日の東京市場を直撃し、前日比-483.75円安の11,259.86円となりました。
ここでロイター発のニュースを紹介いたします。
[東京 30日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は大幅続落。一時、前日比550円を超える下落となり、18日につけた年初来安値1万1301円46銭を下回った。終値は2005年6月以来の水準。
欧州に金融不安が飛び火しマーケットが不安定になるなか予想外に米金融安定化法案が否決されたことで投げ売りが出た。
短期市場で資金調達コストが上昇しているため一部海外勢がポジション閉鎖を進めたことも売りの要因になったという。売り一巡後は短期筋の買い戻しも入り下げ幅を縮める場面もあったが、投資家の不安感は強く終盤は再び軟調な展開となった。
東証1部の騰落は値上がり265銘柄に対し値下がり1377銘柄、変わらずが65銘柄だった。
「ネガティブ・サプライズ」(三菱UFJ投信・戦略運用部副部長の宮崎高志氏)──米金融安定化法案の否決は世界の市場の動揺を誘い、29日のダウ平均は1日の下落幅として過去最大となる777ドル安となった。
東京や他のアジア市場も軒並み大幅下落、「市場は世界的な金融恐慌が起きると読み出した格好となった。早く手を打たなければ、それが現実なものになることを株価は訴えかけている」(東洋証券シニアストラテジストの児玉克彦氏)という。
米下院の一部議員が法案の反対に回った理由はまだ不明だが、市場では公的資金投入に対する世論の反感に選挙をにらんで迎合した結果ではないかとの見方がもっぱらだ。マーケットからは法案の否決そのものよりも、金融問題の深刻さについて認識のギャップがあることに驚きと失望を示す声が出ている。「問題を深刻にとらえている金融界の認識とは大きなギャップがあると言わざるを得ない。
米国市場の状況は日本の1997、98年当時にあるとしても、一部の米国民の認識は『住専(住宅金融専門会社)問題』当時にまだあるということだ」(野村証券投資調査部チーフストラテジストの岩澤誠一郎氏)。問題解決にはまだまだ時間の経過が必要だということを示しているという。
市場筋によると、きょうの東京市場では金融不安の高まりによる投げ売りのほかに、短期市場で資金調達コストが上昇しているため一部海外勢がポジション閉鎖を進めたことも売りを膨らませた。「パニック売り的な様相はなかったが買いが引っ込んだ印象だ。
下値では買いが入ったが実需ではなく短期筋の買い戻しだろう」(大手証券トレーダー)との指摘もあった。セリング・クライマックス的な様相ではないだけに下値不安が残るという。
米下院の再召集は10月2日であり、市場からは法案の採決まで「空白」が起きることに懸念を示す声が強まっている。
三菱UFJ証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は、市場の「負の連鎖」を止めるための政策が必要だと強調する。「米連邦準備理事会(FRB)と各国中央銀行が連携して資金供給を実施しているが、過去最高水準に上昇しているボラティリティー(VIX)指数などをみると、協調利下げなどマーケットに対する直接的なメッセージが必要だろう」という。
明日もこの問題と市場の動きに注目したいと思います。