日経産業新聞に掲載されたデジタル時評のレコード業界の「革命」という小林 雅一氏のコラムを昨日に引き続いて紹介させていただきます。
今日の記事は昨日の続きになりますが、コラム全体の記事は昨日の記事と併せ読んでいただければ幸いです。
以下、本文
デジタル時評 ジャーナリスト・KDDI総研リサーチフェロー 小林 雅一
同様の動きは、最近そこかしこに見られる。たとえば英ラストFMや米パンドラ・メディアのような、いわゆるインターネットラジオ。
通常のラジオ放送のように音楽が次々とウエブサイトから流れてくる。しかし、今までとの違いは、リスナーがそれに「好き」か「嫌い」かの反応を返せることだ。
例えば「嫌い」のボタンがクリックされると、インターネットラジオはストリーミング配信中の曲を中断し、今度は別の曲を流す。逆に「好き」のボタンがクリックされると、続けて似た曲を流し始める。
こうした嗜好(しこう)情報はデータベースに蓄積され、それをシステムが学習する。
ネットラジオから流れてくる音楽は徐々に、個々のリスナー好みの曲に集約する。
サービスは無料で、収入は広告から得る。
インターネットラジオは、いわば「個人向け放送局」とも呼べる存在だ。
従来のラジオがあくまでも不特定多数のリスナーに向けた音楽を流すのに対し、ネット版は「あなた好み」の音楽が自動的に流れる。
ここに新たなサービスの付加価値と、その集客効果による広告媒体としての力が生まれる。
日本最大のSNS「ミクシィ」も今年七月に同様のサービス「ミクシィ・ラジオ」を開設するなど、音楽配信ビジネスの中で注目度が高まっている。
以上を総括すると、これからのレコード産業は二層化する。
水道やガスのように公共サービス化した音楽ライセンスの上に、IT企業が新たな付加価値サービスを構築して行く図式だ。
これは、「ファイル共有」や「手焼きCD」など、様々な手段によるデジタルコピーがもたらした結末だ。ネットを中心に無限に増殖する海賊版は、もはや制御不能。その中で、レコード業界はあえてネット社会の最前線に進もうとしている。
以上です。