この月曜日から「小阪裕司の感性マーケティング」を連続して掲載していますが、今日は第三弾、“「買うべき理由」を教え購買を動機づける”を紹介いたします。
以下、本文
前回、売上はお客さんの行動によって作られることを述べた。では、お客さんの行動を生み出すには何をなすべきか。その鍵は「動機付け」である。
重要なことだが、人は理由なく行動しない。人間とは、行動するときに必ず理由が必要な生き物である。そして前回述べたように、商品やサービスを「売る」ということは、「買う」という行動をしてもらうことだ。
そして、買ってほしければ、買い手に働きかけて購買行動に向っていただくことが必要となる。この働きかけを「動機付け」という。
実例を挙げよう。あるクリーニング店が、動機付けによって売上がどのように変わるか比較実験をした。
商材は防水スプレーである。実験した期間は、ふだんほとんど売れることのない10月から12月にかけて。ちなみに前年の売上はほぼゼロであった。
まず10月は「防水スプレー980円」と書いたPOPを貼り、店頭の目につく場所に商品を陳列した。小売店頭でよく見る光景だが、私に言わせればこれは動機付けをしていない状態で、結果1本も売れなかった。
次いで翌月のPOPには丁寧に商品説明を記してみた。すると多少の実績が得られた。前年ゼロの実績に対し、今年は8本ほど売れたのだ。
しかしこの時点ではまだ弱い。
商品説明が動機付けにつながるとは限らないし、そもそもこの時期、来店客は防水スプレーを買おうとは思っていないわけだから、いかにこの商品が優れているかを説明しても、防水スプレーそのものを買う理由にはならないだろう。
そこで12月、いよいよ本格的な動機付けを試みた。
お客さんに「買う」という行動をしてもらうためにその理由を考え、働きかけてみたのである。
以上、明日に続けます。