今日は「小阪裕司氏の感性マーケティング」シリーズ第二弾、“どうすれば買う行動をとるかに着目する”を紹介したいと思います。
以下、本文
前回、売上を驚異的に伸ばした事例をいくつか紹介した。
便秘薬「ウィズワン」は年間3億円から15億円に伸び、ある酒販店は毎年18本も売れなかった日本酒を1200本売ることに成功した。
こういう成果を聞くと、それが新しい販促手法やツールによるものかと思うかもしれないが、実は違う。用いられたツールはPOPやDMなどごくありふれたものだけだ。
目を向けるべきポイントは別のところにある。
では、いかにして売上を激増させたのか。それはビジネスの見方を根本的に変えた結果なのである。
売上とはそもそも何によって作られるのだろうか。おそらく多くの人は「商品」と答えるだろう。たしかに商品がなければ何も始まらないが、売上をつくるものは商品そのものではない。
では宣伝広告か。価格設定か。販路か。いずれも不正解だ。
売上は人間(消費者)の行動によって作られるのである。
ここで言う行動とは、たとえば店頭で商品を選び、レジへ持っていき、財布を開くという行動だ。
実際にはさらに細かく分解されるが、いずれにせよこれらの行動なしに売上は生まれない。一瓶の薬、一本のお酒が売れたとき、そこには必ず一人のお客さんの行動がある。
トヨタ自動車の売上高は20兆円を超える。この巨大な売上数値も一人ひとりの消費者の行動によって生まれる。一人が支払う金額は20兆円から見ればしれているが、「自動車を買う」という行動は世界の何千ヵ所、何万ヵ所で起こっている。
莫大な売上はそれらを積み上げた結果だ。
千人の消費者が行動すれば千台の車が売れる。百万人の消費者が行動すれば百万台の車が売れる。規模や業種は関係ない。売上は常にお客さん一人ひとりの行動の集積なのである。
だとすれば、売り手が着目すべきはお客さんの行動であろう。すなわち「どうすれば売上があがるか」に着目するのでなく、「どうすれば買う行動をとってもらえるか」に着目するのである。
これがビジネスの見方を変えるということだ。
明日に続けます。