昨日の後を受けてアートディレクター佐藤 可士和氏のビジネススキルコラム「クリエーティブをひとつまみ」のアイデアは「問診」からの続きです。記事は日経産業新聞に掲載されたものです。
以下、本文
「変わりたい」というビジョンが共感できる依頼はぜひ引き受けたいと思っています。
中には僕がまるでマジシャンで、話を聞く前から何かアイデアを出してくれるのではと期待する人もいるけれど、それは違います。
「僕は医者やトレーナー。黙っていたら治りません」といつもいっています。
ブランドイメージを変えることは家を建てることと似ています。
建て売りでも困らないかも知れないけれど、その家族にぴったり合った使い勝手にはなりにくい。
クライアントが主体性を持って作れば、ぴったり合ったものができるし、愛して必死に使おうと思うはずです。
問診をするときに気をつけるのは、アイデアが「絵に描いたもち」にならないようにすることです。いくら素晴らしいアイデアでも、予算やスケジュールなど現実的なことを無視しては実現できません。
また、現実的なことを聞くとクライアントの意気込みも分かります。
僕が受ける仕事は一年以上かけてじっくり変えていくものが多い。ニューヨークに世界の旗艦店をオープンするユニクロの計画やキリンビールの「極生」のデザインには一年、NTTドコモの携帯電話は二年かけて仕事をしました。
「なんて面倒くさいことを引き受けるの」と、クリエーター仲間からよく言われますが、僕は「物」よりも「価値」を作りたいと思っています。
価値を作るには、腰を据えて取り組むことが必要です。
以上です。