7月28日、日経産業新聞の眼光紙背というコラムにイノベーションとはこういうものではと感じられる記事が掲載されていましたので紹介させていただきます。
眼光紙背
洞爺湖サミットは予想通りというべきか、地球温暖化問題に関して大した合意には至らなかった。
経済界には「福田首相がサミットを成功させるために、変な譲歩をして、日本の国益が損なわれるのでは」と心配する向きもあったが、それも杞憂(きゆう)に終わった形だ。
だが、二酸化炭素の排出削減は、石油高によってさらに緊急性が高まっている。
温暖化だけでなく、企業自身が利益や成長を確保するためにも、化石資源の利用を抑える技術革新が不可欠になったからだ。
新技術を生む一つの契機は「自己否定」だろう。
先月この欄で紹介したように、トヨタ自動車はニ〇三〇年をメドに内燃機関を使った今のクルマが電気自動車に置き換わると予測する。
七十年以上にわたってエンジン技術を磨きあげてきたトヨタにとって、「エンジンのないクルマ」は一種の自己否定だが、それに果敢に取り組む姿勢は評価できる。
石油元売りの昭和シェル石油が最近発表した太陽電池への大型投資も、石油会社が石油の代替テクノロジーに投資する点で、自己否定の要素がある。
資源高と温暖化のダブルパンチを乗り切るのは、従来の延長線上では不十分だろう。あえて過去との連続性を断ち切る大胆な経営判断が求められる局面だ。
以上です。