昨日に引き続いてのコンシェルジュに関する記事です。
I.m.pressというマーケティング雑誌に掲載された記事を紹介した昨日のブログの続きです。
顧客軸のサービス提供による満足度・ロイヤリティの向上が共通するテーマ
スポーツクラブ大手のセントラルスポーツ(株)では2007年にオープンした新店舗5店で会員からのさまざまな相談を受け付ける専用窓口「コンシェルジュデスク」の導入を開始した。
導入の目的は中高年層の顧客化。
中高年層の特徴を「本物志向」と「多様性」にあると考えた同社が、その顧客化のために必須な、会員一人ひとりに合った質が高いサービスの提供の一環として取り入れたものだ。
インストラクターやフロントスタッフなど、いわば“現場スタッフ”とは一線を画したコンシェルジュによるきめ細かい対応は会員から好評を博しており、また、フロント運営の円滑化や施設の安全性向上などの副次的効果も現れていることから、今後、2012年までには全店舗への「コンシェルジュデスク」導入を図る方針だ。
(株)そごう横浜店では、2001年6月に6名のコンシェルジュを導入し、コンシェルジュサービスの提供を開始した。
同店のコンシェルジュサービスでは、「店内の案内」「商品選びの手伝い」などにとどまらず、自店で扱っていないブランドや商品に関する案内、横浜の観光、文化、歴史についてのなども行っている点が特徴的だ。
また、販売員のサポートもコンシェルジュの大きな役割となっており、販売員が販売活動において必要とする情報を必要なときに提供することで、店舗全体のコミュニケーション力を高めている。
今後については、顧客の認知度・理解度向上をテーマにさまざまな機会でその存在をPRし、利用促進を図るとともに、“コンシェルジュ的”な意識の全店規模への波及にも取り組んでいく意向である。
日本アイ・ビー・エム(株)ゼネラル・ビジネス事業は、2007年中堅企業を対象としたコンシェルジュサービスとして、「IBM Express Advantage コンシェルジュ」を開設している。開設の目的は、同社に対して敷居が高いというイメージを持ち、また、ITの導入に関して相談する先がない中堅企業に、どのような内容でも気軽に問い合わせてもらえる窓口を作ること。
専用のフリーダイヤルとWebフォームおよびeメールをチャネルに、見積依頼の受け付け、質問に対する情報提供、各部門の担当者の紹介といったサービスを提供している。
楽天トラベル(株)では、2007年1月から提供を開始した、厳選された一流ホテル・旅館のみの情報提供・予約受け付けサービス「プラチナコレクション」の特別機能のひとつとして「プライベートコンシェルジュ」を提供している。
このサービスはロイヤルカスタマーを対象に提供しているものであり、専用のフォームから旅にかかわる相談をすると、旅の専門家が適切なアドバイスをしてくれるというもの。
サービス開始から約1年3カ月を経過しているが、利用顧客からはおおむね好評を得ている模様だ。なお、現状では対応チャネルはeメールに限定されているが、今後は電話などeメール以外のチャネルの導入も検討していく意向である。
以上のように、各社のコンシェルジュサービス提供形態はさまざまであるが、いずれにしても顧客軸のサービス提供による満足度・ロイヤリティの向上を目指している点は共通しているようだ。
いかに人材を発掘・教育しモチベーションを
持続・向上できるかが成否を左右
今後、コンシェルジュサービスはどのように発展していくのだろうか。前述のように現在、コンシェルジュサービスは流行の様相を呈しており、その内容は玉石混交とも言うべき状況にある。
残念ながらコンシェルジュサービスの根幹をなす“顧客軸でのサービス提供”という条件を満たしていないサービスも存在しており、これらについては早々に淘汰されることが予想されよう。
コンシェルジュサービスは、その運用において顧客との深いレベルでのコミュニケーションが展開されるため、商品・サービス利用の本質的な動機など、より詳細な顧客情報を収集するチャネルとしての機能も期待できよう。
その実現のための最大のカギはサービスに当る人材リソースにあると思われる。
商品やサービスに関する知識はもちろんのこと、コミュニケーション能力や共感力に長けた人材をいかに発掘・教育し、さらに積極的な裁量権の付与などにより、いかにモチベーションを持続・向上させていけるかが、コンシェルジュサービスの成否を左右することになるであろう。
そして、コンシェルジュサービスのコンセプトを全社的に波及するプログラムが確立されれば、企業全体のサービス力向上につながり、結果として顧客ロイヤリティを飛躍的に向上させることも期待できるだろう。
以上ですが来週に続編を予定しています。