土、日雑感の土曜日です。
いつもの様に伊藤 肇の「喜怒哀楽の人間学」を皆さんと一緒に見ていきたいと思いますが、私自身がこの本のページを開くのを楽しみにしています。なぜか、この本で紹介されている箴言に出会うと何回読んでもホッとします。
それでは今日もよろしくお願いします。
富貴の家、常に窮親戚の来往するあらば、便(すなわ)ち、是れ忠厚。
陸紹珩『酔古堂劔掃』
<銭を愛する者は、他人を愛し得ないが、自分の妻子は溺愛するものだ。しかし、地位に執着し、名誉を愛する者は親戚や家族までも犠牲にする場合がある。つまり、自分の地位や名誉のためには親戚の窮状も見殺しにし、家族の失敗や過失も、親身になって、その面倒をみない。深くタッチしすぎて、自分の地位や名誉が傷つくことを恐れるからだ。
出世コースを順風満帆でつっ走った男が、思わぬ奴につき合ったためにつまずいて失脚した。その男がいつもいっていたのは「僕は出世のさまたげになるような女とは、心がけて結婚までつき合わなかったから、商売女の味しかしらない」ということだった。
こんな心がけでは本当の商売女の味もわかるものではない。一段高いところから、自己保身を第一として、商売女を見おろすような男にホステスだって、芸者衆だって惚れるわけがない。
こういう手合にかぎって、名もなき親戚とつきあうことを嫌うくせに女房の親戚にでも名のある人がいると、しきりにその人のことを話題にのぼせる>
事を謝するは當(まさ)に正盛の時に謝すべし。
身を居(お)くは宜(よろ)しく独後の地に居(お)くべし。
洪自誠『菜根譚』
<隠居するなら惜しまれるうちに。
隠居の身を置くなら、他人の邪魔にならぬところへ>
四時の序、功を成す者は去る。 會先之『十八史略』
<友人の范睢(はんしょ)が出処進退に思い悩んでいたのをみて、蔡沢(さいたく)がいった言葉。
「春は万物を芽ぐませて去り、夏はこれを成長させて去り、秋はこれを成熟させて去り、冬はこれを収蔵して去る。春夏秋冬、おのおの、その功を成しとげると、順序よく移りかわっていく。同様に人間も功をなしとげたら、潔く去って、次の者にバトンタッチすべきである」
范睢は豁然として悟り、病と称して、宰相の地位を降り、蔡沢を後任に推した>
今日は以上です。