昨日の超小型PCに関係するコラムが6月初旬に日経産業新聞に掲載されていましたのでき順序は前後しますが示唆に富む記事ですので、是非紹介させていただきたいと思います。
トレンドウオッチ IDCジャパン シニアマーケットアナリスト 浅野 浩寿氏
超小型PC 普及へ使い方提案カギ
日本でも、超小型パソコン「UMPC(ウルトラモバイルパソコン)」が話題になりつつある。一般的にはディスプレイが10型以下で汎用の基本ソフト(OS)やアプリケーションが使え、キーボードやネットワーク機能を搭載している製品を指す。
今後家庭を中心に普及するとみるが、国内では高機能化する携帯電話機との住み分けができるかが普及のポイントになるだろう。
UMPCの世界的な人気に火を付けたのが、2007年に台湾の華碩電脳が米国などで発売した「EeePC」。電子メールやインターネットのほか、簡単な文書作成もできる機能を備えながら、既存技術や部品を組み合わせるなどして実現した500㌦以下という価格戦略が奏功した。
500㌦を切ることで、これまで価格面でパソコンを買い控えていた人が買いたくなる心理的要素が大きく働いた。2台目としての需要のほか、子どもや中高年などライトユーザーも取り込んだ。
日本でも華碩電脳のほか、ヒューレット・パッカード(HP)が5万円台の製品を市場投入した。これからも日本市場に参入する大手メーカーが出てくるだろう。
国内では海外と違って新しい製品が好きなハイエンドユーザーに多く受け入れられる。新たな市場としてそれなりの規模が見込めるからだ。
特に5万円以下という低価格UMPCが、07年の出荷ベースで1414万台だった国内のパソコン市場でどのくらいの位置を占めるようになるのだろうか。当社の予測では、その比率は08年で0.5%程度。09年に0.6%、12年で0.8%と横ばい傾向が続くというのが現時点での見方だ。
家庭向けパソコンの市場に限ると08年には1.5%、12年に2.3%と比率が上がるだろう。
ただセキュリティー面の心配もあり、法人向けはあまり伸びないとみている。
欧米・アジアと国内で通信文化が異なることもこう予測する理由だ。
やはり持ち歩く情報端末である携帯電話は、海外ではあくまでも本来の使い方である通話が中心。ネットや電子メールを見る用途で使われる低価格UMPCがこれを補った。
一方、日本国内では携帯電話は電子メールやインターネット、携帯専用のアプリケーションソフトなど通話以外の利用も多い。用途がUMPCと真っ向からぶつかる。
また米国などではパソコンから無料で無線LAN(構内情報通信網)を利用できる環境が比較的充実しているが、国内では利用できる場所こそ増えてきたものの、会員制で有料のケースが多い。
こうした背景から、国内で低価格UMPCの市場が予測を上回って拡大するかどうか、年内中はまだ様子を見る必要がある。単に屋外で手軽に使えるというだけでは不十分。日本のビジネスや生活のスタイルに合った魅力的な使い方をメーカーが提示できるかがポイントだ。
もう一つ大切なのが価格戦略だ。ただでさえ価格競争が激しく粗利が小さいパソコン市場で、メーカーを取り巻く環境は依然厳しい。
普及の分水嶺となる5万円にいかに近づけられるかがカギとなる。
以上です。