今日はI.m.pressという雑誌に掲載されていた“ゆうちょ銀行の出現は生活者に何をもたらすか”という(野本洋一氏執筆)記事を今日、明日2回に分けて紹介させていただきます。
新規事業を模索する超巨大銀行「ゆうちょ銀行」
日本郵政グループの(株)ゆうちょ銀行が、スルガ銀行(株)と組んで5月12日から住宅ローンなど、個人向けローン事業に本格進出する。
当面は東京、大阪、名古屋の3大都市圏にあるゆうちょ銀行直営店50カ店で取り扱いを開始、初年度の貸し出しは22億円を目標とする。
ゆうちょ銀行の2008年3月末時点の預金残高は181兆円で、メガバンクの三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行の2行を足した合計額を上回る超巨大銀行である。
しかし、民営化以降はなだらかな減少が続いており、経営基盤を強化するために新規事業を模索していた。
銀行業のメイン事業である法人向け直接融資は技術的にも組織的にも難しいので狙いは個人向け。その目玉が貸出額のロットが大きく長期契約で、しかもデフォルトリスクの少ない住宅ローンに向かうのは当然といえば当然だ。
「民営化とはいっても政府による”暗黙の保証”がある中で、新規事業で業務範囲を広げることは、民業圧迫だ」(メガバンク幹部)という批判も根強いが、株式会社になって上場を目指すといっている以上、ゆうちょ銀行も収益強化に必死なのだろう。
取扱商品は住宅ローンのほか、教育などの目的に使途を限定した目的別ローンと、使い道自由のカードローンの3種類。
ゆうちょ銀行がスルガ銀行の代理店となって販売する。
「ホームローン“夢舞台”」「フリーローン“夢航路”」など、それぞれに商品名が付いているが、商品の中身は実質的にスルガ銀行と同じなので、メーカーでいうところのOEM供給である。
ゆうちょ銀行にとっては商品開発の手間と時間的ロスが省けるメリットがあるし、提携したスルガ銀行もほとんどコストがかからずに手数料収入が見込める。
「ゆうちょ銀行は提携でノウハウを吸収して、いずれは自前で商品を開発するつもりでしょう。50カ店はそのノウハウを習得するための実験店舗といってもいい。将来的には2万4000ある郵便局ネットワークでフル展開する可能性もある」
(前出メガバンク幹部)
※デフォルトリスク:預貯金先の金融機関や債券等の発行体などが、倒産や債務不履行などにより、元本の返済や金利の支払いが滞ったり、停止されること
明日に続きます。