一昨日、昨日の続きで大手広告会社のユニークな取り組み、研究プロジェクトを紹介します。(日経産業新聞掲載記事より)


価値観が多様化


今どきの父親像を調査しているのは読売広告社の「ネオパパプロジェクト」だ。


「子供の時の父親像と今の自分はちょっと違うよな」。

リテールマーケティング部の前川修一ディレクターが、同僚と雑談していたのがきっかけだ。新しいマーケティング手法の切り口として、〇五年十月にプロジェクトを立ち上げた。


周囲の目は「財布のひもを握っているのは母親だろ」「パパグッズなんてあるのか?」などと懐疑的だった。


〇七年二月に最近の父親像を類型化した調査結果をもとに本を出版。

研究という趣旨ではここで役目を終えても良かったが、事業化にこだわった


父と子の絵本の読み聞かせ会など各種イベントを開いている。プロジェクトの存在が知られるようになり、取引関係のない日用品メーカーの商品開発部門からの問い合わせが来るようになった

「新しいマーケティングの観点として注目されつつある」と前川氏は手応えを感じる。


遠回りに見える研究に各社が熱心なのは、消費者の価値観が多様化し、売れる広告作りが難しくなっていることが背景にある。


博報堂の安藤氏は「得意先の後ろについていくだけではダメ。ある時は一歩も二歩も先に出ないと、相手にされなくなる」と指摘する。


広告会社はテレビCMなどを通じて、数々のブームを生み出していた。

消費者の中に身を置いた試行錯誤は、アイデア力を取り戻すための原点回帰と言えそうだ。


このシリーズは以上です。