今日は広告会社がユニークな取り組みをしている現状を紹介したいと思います。(日経産業新聞掲載記事より)
博報堂 こどもごころ製作所
大手広告会社がユニークな研究プロジェクトを展開している。子供心や買い物心理学などを調査し、新たなマーケティング手法や新事業のヒントを探る。
「社会とのかかわり」や「消費者目線」を合言葉にフィールドワークを重ね、社員の創造性や顧客への提案力を高める狙いもある。
「味やにおいの感覚が何倍も鋭くなったみたい」。
暗がりの中で特殊ゴーグルをかけた約三十人の老若男女が、恐る恐るフランス料理をつつき合う。三月下旬、東京・赤坂で開かれた「クラヤミ食堂」の風景だ。
社会とかかわる
企画したのは博報堂の研究チーム「こどもごころ製作所」。
鋭い直感や好奇心など、子供時代の感性は大人になると失いがちだ。
大人に子供心を取り戻してもらおうと、昨年九月に発足した一風変わった組織だ。
「クラヤミ食堂では大人を縛るルールはなく、肩書も関係ない。その人の素顔が表れやすい」と同製作所の軽部拓所長は話す。
親子が野原の虫や草木になりきって詩を作り、朗読する「のはらうた」の普及にも力を入れる。各地の小学校に提案して回り、すでに東京や九州、東北で授業参観に採用された。
こどもごころ製作所は博報堂の社内大学「HAKUHODO UNIV.」が生み出した最初の研究プロジェクトだ。
社内大学は2005年4月の開講。広告の専門知識を教える講座や、事業アイデアを研究するゼミもあり、年間で延べ7500人の社員が学ぶ。
受け身の研修になるのを防ぐため、社外で研究を実践するためのテーマを募っていた。
こどもごころ製作所がプロジェクトに選ばれた決め手はテーマの社会性だ。
軽部氏は子供を巻き込んだ事件が多いことに心を痛めていた。
問題の根はどこにあるのかを社内大学のゼミで議論、「大人が純粋さや余裕を失っているのではないか」との仮説を得た。
「広告会社は、社会的テーマに積極的にかかわって、新しいビジネスにつなげていく必要がある」。 社内大学の学長でもある安藤輝彦・取締役専務執行役員は語る。
社会と深くかかわってこそ、価値観の変化など新事業のヒントが見つかるはずだという。
将来は企業との共同商品開発などに結びつける考えだ。
今日は以上ですが、明日に続けます。