昨日の続きで知識コミュニティ仲介業のもう一つのタイプである、企業とビジネスパートナーとの間を仲介し、研究開発、商品開発、人材活用の面でイノベーションを支える事例を紹介します。

引用は野村総研(NRI)知的資産創造からです。


ビジネスパートナーとのマッチングを行う

(1)企業とクリエーターとのマッチング

XSHIBUYA(クロスシブヤ、http://sns.xshibuya.jp  )は、渋谷区、港区を中心とした広域渋谷圏のクリエーター2500人(2006年11月21日時点)の間のNのコミュニケーションの場を提供し、クリエーターと企業とのマッチングを図ろうというSNSである。


イラストレーター、Webデザイナー、グラフィックデザイナー、写真家、芸術家などのクリエーターは、XSHIBUYAに参加することで、自身の作品をアピールしたり、さまざまなテーマのコミュニティに参加して情報共有や切磋琢磨を行ったり、相互に仕事を受発注したりすることが可能となる。

2006年7月、東京商工会議所が広域渋谷圏クリエーターマッチング有限責任事業組合に委託する形で事業をスタートさせた。


その背景には、広域渋谷圏に集積するクリエーティブ産業と、渋谷区神泉町周辺の通称「ビットバレー」に集まるIT産業のマッチングが進みづらいという問題がある。

両者とも人づてに仕事を得ていることが多いため、取引相手を既存の取引先以外に広げることが困難で、最適な相手を見つける手段に乏しい。


東京商工会議所が、交流会などリアルの場を設けて会員企業同士のマッチングを図っているのはもちろんだが、XSHIBUYAは、クリエーターのワークスタイルにふさわしい方法として、Web上にもマッチングの場を設けたのである。


XSHIBUYAがマッチングで大きな効果を得るのはこれからだが「個」という性格が強いクリエーターが活かされる場として、発展を期待したい。


(2)企業と研究開発人材とのマッチング

ナインシグマは、研究開発課題を抱える企業と、解決策を提供しうる研究開発人材とのマッチングを行う仕組みである。

ナインシグマは世界の研究開発人材データベースを保有しており、100万人以上の研究開発人材に電子メールでアクセスできる。


ナインシグマは、企業が自社で解けない研究開発課題からRFP(提案要求書)を作成し、該当する研究開発人材に配布する。 その際、顧客企業の要望によっては、企業名を明かしたり競合相手にRFPを送付したりすることはしない。


RFPに記された課題、回答期限、報酬などから、「われこそは」と思う研究開発人材が概要提案書をナインシグマに送付し、それを受けて企業が評価を重ねながら採用先を選定した後、正式契約を交わして相手の知識を活用するという仕組みである。


研究開発の課題は、技術的課題、商品開発、ソフトウェア開発、市場評価、モデリング(システムの業務の流れや構造などの記述法)や新たな解析手法など、広範囲にわたっている。

具体的な事例としては、「自動車と牽引トレーラー間の角度を測る強固な連結部のセンサーの開発(自動車メーカー)」 「透明ポリエチレンの食品袋の酸素透過率の向上(家庭用品メーカー)」 「移動時間に関する経済的評価手法の専門家の募集(企業の航空宇宙メーカー)」などがある。


解決策を提示するのは、中小・ベンチャー企業、大学、政府系および民間研究機関の研究開発人材、コンサルタントなどが中心となっている。


今日は以上です。