チームメイトからの電話 | 甲子園に3度出場した男の 幸支援ブログ

チームメイトからの電話

先日の夜、電話が鳴った。
 
この日は母校の長崎日大
甲子園で惜しくも敗れた日だった。
 
 
画面には珍しい名前が表示された。
 
 
高校時代、同じ野球部で
3年間過ごした同期からだった。
 
 
『マサル長崎帰って来とらんと?』
 
懐かしい長崎弁。
 
 
『嫁さんと休み合わんやったけん
お盆帰れやったとさね~。』
 
私も長崎弁で返す。
 
 
 
いつからか長崎弁と東京弁、
相手によってチャンネルを瞬時に
切り替えることができるようになった。
 
 
 
話しを聞くと、長崎に帰省中の後輩と
酒を飲んでいるとの事だった。
 
お互いの近況報告が一通り終わると
彼は突然こう言った。
 
 
 
『いやぁ~本当にあの時一緒に野球できて良かった。
マサルと出逢えて良かったばい。色々ありがとうね。』
 
 
 
私は少し驚いた。
 
 
彼はあまりそんな事を
口にするキャラではない。
 
どちらかと言うと
ちょっとツッパった感じというか、
クールで面白いことをサラッと言う
ような奴だった。
 
 
 
高校時代の公式戦出場は叶わず、
3年生になってからは裏方として
チームを支えてくれた彼。
 
正直、何度か
野球部を辞めようとも考えていた彼。
 
 
その度に私は彼を引き止めた。
 
チームには彼が必要だったし、
一緒に3年間戦い続けたかった。
 
 
 
『スタッフ(裏方)に専念して
チームを支えてくれないか?』
 
 
この言葉を彼に告げたのは
当時主将の私だった。
 
 
 
女子マネージャーを採用しない野球部で、
その言葉が何を意味するのかは、
私も彼もよく理解していた。
 
 
 
彼ももちろん推薦組で、
鳴り物入りで入部をしたエリート。
 
悔しさは計り知れなかっただろう。
 
 
しかしその言葉を告げ終える前に、彼は
『絶対甲子園行こうな…。』
と言ってくれた。
 
 
そして2人で泣きながら抱き合ったのを
今でも鮮明に覚えている。
 
 
 
私と彼には、
誰も知らないそんなドラマがあった。
 
 
 
その彼からの突然の電話。
 
 
今度帰省した際には
飲みに行く約束をし、電話を切った。
 
 
 
 
 
 
いよいよ決勝戦を迎える夏の甲子園
 
 
最幸の仲間
 
最幸の場所
 
最幸の試合
 
最幸に楽しんでもらいたい。