1年前‥‥‥
最後の
B-BOY PARKを
優勝で飾れた。
その裏には
ある約束がありました。
本番の2週間程前‥‥‥
母の命がそう
長くない事を知らされる。
重い病にかかっていて
早期治療が必要。
その名も白血病。
この時は
いつ命を落としても
おかしくない状態。
時間は無かった。
このタイミングで?
兄に相談をした‥‥‥
『今は踊ってる場合じゃない?そばにいた方がいいかな?』
俺はB-BOY PARKを
捨てる覚悟で。
兄の口から
『俺らに任せてお前は踊れ。そのかわり全部持ってけ。俺のも、お前のも、母のも、想いを全てぶつけてこい。優勝以外ないからな』
小さい頃から
片親だった俺にとって
父親みたいな存在でもあった
兄からの一言。
この時、久々に足が震えた。
涙はこらえた。
だが、
その病気の話を聞いてから
考える度に
気付いたら涙してた。
本人の前では
決して流せない涙を。
そして当日。
兄からもらった数珠。
兄の恋人からもらったネックレス。
表には『孤狼』の文字。
裏には『良子』母の名前が。
毎バトル毎バトル前に
そのもらった数珠をつけた手で首からさげてるネックレスを握りしめ、目を瞑り、母への想いと共に優勝をイメージした。
そして優勝した。
かけて、願って、
信じて戦えば!!
と小さくも大きい
俺からのエールでも
ありました。
周りは知らずとも
気付かずとも
この想いが
バックグラウンドとして
オーラとして
俺から放たれてたと
俺は思ってます。
そして
優勝が決まった瞬間、
兄が涙してる光景が
目に入った。
今まで生きてきて
そう見たことのない
兄の涙を。
そして優勝報告の電話を
母に入れた。
泣いて喜んでくれた。
子供の趣味ゃ好きなことに
そこまで干渉しない母が
涙して喜んだのは
きっと初めてでした。
つられて俺も涙した。
優勝が決まっても
兄の涙を見ても
こらえてた俺が
こらえられなかった。
母は肯定も否定もしないが、
俺が好きなように
今までの人生を
歩ませてくれた。
間違ってる時ゃ
やらなきゃいけない時は
もちろん怒られたりも
してきました。
そんな母に
メールで
「俺勝ったから、必ず勝ってくれ」と。
その約束は果たせれ、
手術に成功。
言葉は少ないが
手術までも手術以降も
沢山の試練が
待ち構えてました。
母は1度も逃げることなく
立ち向かい
その困難に耐え続けました。
何度も何度も
再入院を繰り返しました。
症状、治療、リスク、確率、
全てが俺にとって壮絶で
想像を遥かにこえていて‥‥
大袈裟じゃなく
本当に常に
生きるか死ぬかの瀬戸際で‥
1年が経ち
待っていたのは
またしても試練でした。
再発。
手術。
生きることって
こんなに大変なんですか?
1度は、
いや知らないとこで何度も
折れかかった母の心は
もう戦闘体制なはず。
絶対勝つと信じてます。
負けちゃダメなんです。
俺のたった1人の母親なんで。
チャンピオンを生んだ母は
チャンピオン以上に
強いはずでしょう。