舞台 元カレ | アラサー、サッカー、オタク。

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どうか皆さん、温かい目でご覧下さい。

久しぶりのあやひーの演技を堪能出来た以外にも、熱量や工夫に満ちた、良い観劇になりました。
※多少なり、ネタバレ含むのでご覧になる際はご注意を。

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舞台の観劇理由は高垣さんが出演されるから、ただそれだけでした。
知り合いの方に良い席をとって頂き、舞台に近い良い席で見られたのも良かったです。

まず、あやひーの演技に言及すると、佐藤カンナという女性の変化しっかり示し、声優である事の存在証明をされるような演技でした。

元カレ、というタイトルにもあるように、男性に翻弄され続けたカンナの変化を、声と身体の使い方から感じ取る事が出来たように思います。

声優である特徴を舞台の中で生かされた、のは別の舞台でご縁のあった演出の岡本さんに引き出されたのかもしれません。

声のお仕事でも、役に入り込む、キャラクターになりきるようなお仕事をされているので、今回のような感情の幅の大きな役柄は、彼女に向いているように思います。

これも良し悪しなのだと思いますが、個人的には演じる役ごとの違い、演じる人の工夫、意図が伝わる時に、声優さんとしての価値を感じます。

声優さんそのままではなく、作品の世界観、キャラクターの個性を鑑みた上で現れる演技を求めてしまいます。

そういった工夫に満ちたものを表現してくれるあやひーなので、今回のように単純に声で違いを表現してくれる以上の何か、それをより感じられると良かったかなぁとも思いました。

甘え声、大人の女性、クールな声、ヒステリックさ、優しさに満ちた声…
多彩な声色の違いを堪能出来た、という意味ではこれ以上の無いご褒美のような舞台であったとも言えるので、何とも言えませんw

また、舞台全体に話を移すと、2時間という時間にいろんな工夫が詰め込まれ、見る人を飽きさせない舞台でした。

カンナという女性と関わりあう中で、生まれる喜怒哀楽をバランス良く、テンポ良く表現され、推理ものでも、話が伝わりやすくなっていました。

キャラクターの位置付けも、メリハリが付くように工夫されていて、キャラクターの数だけ、違った感情を見ている側に生み出してくれたように思います。

さて、この舞台から感じた一種の気持ちの良さにも言及します。
それは独善を良しとしなかった、事です。

自分がいいと思うから、きっと相手も良いと感じるだろう。
それを多角的な意見を聞いたりして確かめず、独りよがりなものを相手にぶつけ続けた事で、相手を傷つけていた。
多くの男性と関係をもったカンナを、軽い女性だと受け取る方もいらっしゃったかもしれませんが、私は不幸だよね?というメッセージに受け取りました。

また、相手を信じきれない事から生まれる不幸が描かれていたのも、印象的でした。

人と人が完全に分かり合える事、信じあえる事は難しい分、それが出来た時には幸せが待っていたのではないか、というメッセージを受け取った気がしています。

人は人との関係の中で幸せも不幸も得られますが、どのように関係に向き合えば幸せになれるか、その方向性が自分の考え方と近かったところに、観劇後の気持ち良さがあったように思います。

舞台は演者の、生きる人の生の感情が届けられます。
テレビや映画では感じ取れない生の感覚は、お金を払って受け取る価値があるなぁとつくづく思います。
そう感じさせてくれる舞台を観劇できて、あらためて幸せでした。