ソウルイーターノット!の最終巻のレビューです。
それは主役を務めた千菅春香さんをおっかけて見ていた、というのが多分にあるのですが、一つ深いところでアニメを捉えようと出来た気がしています。
アニメはもちろん人の手で作られるので、それぞれに作った人の個性が出る、そんな当たり前の事をこんなに強く感じられたのは、とても貴重でした。
今作は千菅さん以外の声優さんはほとんど経験豊富な方ばかり。
それぞれがそれぞれに個性があっても、それを上手く経験でキャラクターに乗せられたんだと思います。
一方、千菅さんは初めての主演、初めてのレギュラーで端々に固さが見てとれます。
少し前の自分だったら、がっかりする場面だったかもしれません。
ただ、普段の彼女がどんな人かわかっている人間にとっては、その固さは彼女のまっすぐさ、真面目さから来る事がわかります。
一生懸命やろう、その姿勢が場面によってはそぐわなくて違和感が出る、それが固いって印象になるのだと感じています。
※悠木碧さん、早見沙織さんがすごく上手いというのも、対比から感じるのかもしれません。
ただ最終巻を聴いていると、シリアスな場面が続く中、つぐみがめめを洗脳から解くシーン、ここが秀逸です。
それは千菅さん自身の優しさ、思いやりが十二分に発揮されているからだろうと推測します。
初めから上手くやれればそれが一番いいのかもしれませんが、今の千菅さんだからこそ、つぐみとシンクロする部分がたくさんあって、そこがノット!の魅力であったのは間違いありません。
コメンタリーを聞いても、千菅さんがいろんなものをリスペクトして、考えて演じていたのは痛いほどわかります。
彼女が現実に対してすごくポジティブなのもひしひしと伝わって、ファンとしてあらためて尊敬出来るなぁってしみじみしてしまいました。
アニメ、作品自体の魅力はもちろんあります。
ただ、そこに人の魅力、個性が重なり合う事でその良さは何倍にも膨れ上がるのだと知りました。
他の方にはどう映っているか、わかりませんが、僕にとってソウルイーターノット!は人の経験、個性の魅力がたくさん詰まった、本当に素晴らしいアニメーションでし た。
一つのアニメからこんなにたくさんのモノを得られるんだなっていうのを経験して…
オタクとして、とてもとても幸せでした。
またこんな素敵な出会いがどこかでありますように。