○ アパート・外観
○ 同・男の部屋
床に寝転びテレビをじっと見続ける男(23)。その横に座る女(20)。
男、欠伸をする。
辺りを見渡し、テーブルに置かれたテレビリモコンを見付ける。
男「それ取ってくれ」
女、手を伸ばしリモコンを取り、黙って男に渡す。
男、リモコンでザッピングする。
次々と切り替わるテレビ画面。
じっとその様子を見つめる女。
男、リモコンを放る。
男「つまんね」
男、天井を見上げる。
男「(ボソリと)……ハラ減った」
女を一瞥する男。
それに気付き、ゆっくり立ち上がる女。
腰に手を当て体を伸ばす。
男「……何でもいいや、まかせる」
女、溜め息。
流し台へ向かう。
○ 同・流し台
立て掛けてある包丁、まな板を見つめ、しばらく考え込む女。
冷凍庫から冷凍食品のスパゲティを取り出し、封を開ける。
電子レンジにそれを投入する。
動き出す電子レンジ。
○ 同・男の部屋
電子レンジのあたため完了のメロディが流れる。
女、流し台から戻り、フォークとプラスチック容器のスパゲティを男の前に出す。
男「何これ?」
男、立ったままの女とスパゲティを交互に見る。
男「あ~何だっけ、スパゲティの。ぺぺロ……なんとか」
女、頷く。
男「あんま好きじゃないんだけど……」
男、食べ始める。
女、座り込み、男を見つめる。
女の視線に気付く男。
男「(ほお張りながら)……っつうかさぁ、やっぱ考えたんだけど」
食べ続ける男。
男「お前と一緒にいるのって……無理だわ」
女「……」
男「いや、物持てるとか超すげぇよ?」
男、フォークを置く。
男「でもお前足透けてるし、風邪でもないのにオレ肩とかすっげぇ寒ぃし……夜寝てると確実に
体動かなくなるしぃ……」
女に向かって手を合わす男。
男「……ほんとゴメン、マジゴメン! やっぱ無理ッ」
女「……わかりました……嫌がれるのには慣れてます……」
女、立ち上がる。
女「お世話になりました」
女、足元からゆっくりと消えていく。
男「他にもっとイイ人探してよ……」
女、姿を消す。
しばらくしてスパゲティを再び食べ始める男。
ふいに上目がちに周囲を見渡す。
男「(ほお張りながら)……もういねぇ?」
突然、男の目の前に顔だけ浮かび上がる女。
一瞬固まる男。
男「それが怖ぇっての!」
(了)
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