『F難度開脚』
このシーンの異様さ。ご飯大盛り完食、ごっつぁんでした。
身体が新体操なみに柔らかいなぁ。
あれは夢だったんかな…
まだデジタルカメラを持つ前の、
重くて分厚い写真アルバムをめくっていると、自分の過去が
霧の中の出来事みたいで、写真が異邦絵巻に思えたり、
他人事のようで笑えてきたり、空々しかったりする。
写真の中にいるのは確かに“私”なのに、
現時点の“私”が忘れている些細な事までも、
しっかりと味わっている女がそこにいる。
明らかに別の“私”。
過ぎた時間、取りかえせない記憶の断片。
そうして、確実に若い私。
顔の表情も、身体の線も、明らかに若い。
“若い私”を写真はしっかり留めていやがる、
私自身は写真を手がかりにようやく思い出すというのに。
写真てヤツは ほんまに奇妙だ。
アルバムを次々にめくっていると、
さらに不思議な感覚に捕われることがある。
「アルバムをめくる私」を
もう一人の私が、頭のうえで見ていて、
「自分に酔うなって！」と茶々を入れ始める。
虚構と現実がシンクロしてる状態。
こうなると“今”というシーンの舵を握っているのは
“写真をめくる私”なのか、それとも
頭のうえにいる“もう一人の私”…？
もしかしたら、私って狂ってるのかも。
「考えてもどうしようもないこと」を考えてしまう。
正常だと、何を基準に誰が判断するんだろう。
理性はもっているつもりだ、けれど、
あくまで“つもり”であって、
もしかしたら、私の記憶から抜け落ちているだけで、
大罪を犯していながら、忘れているのかもしれない。
なんてことをいうと、
全人類が警察のお世話になる可能性があるわけだけど、
ようするに“隙”は誰にでもあるわけで、
難クセを付けられ、罪人になってしまう不運が
私にめぐってこないとは言い切れない。
ただ、「私は真っ当だ！」と言い切るヤツより、
多少狂ってます、と言ってるヤツの方が
信用できると思っている、私は。
真っ当だと言い切るヤツ・・・たとえば政治家とか。
「どうしようのない」ことを考えてしまうのは、
私が絵描きだからかもしれない。
なぜなら、虚構の中を彷徨いながら
一枚の絵を残すのが仕事で、日常だから。
たとえば私がリンゴの絵を描いたとき、
「これは女です」と言えば女になるし、
「世界だ」と断言すればそうなのだ。
たとえ誰も共感してくれなくても、
頭が変だと笑われようとも
絵に描いたリンゴは私の「ゆめ」には違いない。
『ショートバス』につづいて、
また18禁映画をまた観てしまった。
いや、別にわたしゃ、欲求不満でもなんでもなくて、
10月に『ヌード』というアートラッシュの企画展に参加するので、
その参考資料として。…う、でも欲求不満でないとは
けして断言できない、↑上記の文の流れでいうと…
うふ♪ アタシ欲求不満でーす♪
…アホくさ…。
鬼才・石井隆監督の最新作で最高傑作という評判の本作。
うーん。ものたりない。というか惜しいっ。
喜多嶋舞ちゃんは18禁演技に充分応えてるし、
文字どおり体当たりの演技で頑張ってる。
車中開脚ご開張、自虐SM、辞意ではなく自慰、コスプレ、
ホントに熱演、健闘してる、けど…
せっかくの巨乳が貧弱な添え物になってしまった。
あれこれ詰め込み過ぎ～～！
D.リンチ的な虚構と現実の曖昧へ降り立とうと頑張ったせいで、
本道が見えなくなってしまった。
だいたい「舞ちゃん」と言わせてしまうところが駄目、
“ごっこ遊び”に結末してしまった。
喜多嶋舞ちゃんのヌードはキレイじゃない。
腹が出てるわ、ウエストはないわ、乳首は黒い、肌も艶なし、
でも、だからこそ生っぽいエロさを放ってるはずなのに…
女の狂気も半減してしまった。あぁ惜しいっ。
「夫の情事を知ってしまった女優が売春をしている」
そもそも端的な話なんだし、直球で観たかったな。それに、
彼女の裸をストレートに“抜いて”ないのも 物足りない、
全然似合ってないファッション・センスもヨロシクない。
「喜多嶋舞」の丸い身体には和服が合うと思われる。
せっかくのエロ逸材が細切れ料理。
あと、照明も好きじゃないし。でも、
「誰も愛していない女」の情けなさは伝わってきた。
『人が人を愛することのどうしようもなさ』、
このタイトル、主役の喜多嶋舞ちゃんではなく、
私には脇の男を指しているふうに感じられたけど、
それでいいのかなぁ、
男の「どうしようもなさ」を描きたかったのではないはず。
たぶん、この映画の喜多嶋舞写真集の方が、
私の好みにはOKだと思う。たぶん映画と違って、
彼女のエロが主役で、横道＆小ネタは削がれているはずだから。
写真集、欲しいんだけど、高いわぁ。。。
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