鉄コン筋クリート |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー


『濃い人 濃い街 濃い映像』



濃厚な映像にビックリした。
今年の正月、しかも元旦に観たから、
2007年1番目の大ショック!
アニメで、こんなことができるのかーっ!
目をパチクリしてる間に映画は終わってしまった。
アニメが立体的に回転するなんて、
なにするねん! って感じ。
これは「私が知っているアニメ」の延長線にある世界で、
『超アニメ』とかなんとか、新しい呼称をつけたいほど。

舞台は浅草と台北と新宿と香港、
これらのアジア都市をミックスした無国籍タウン「宝町」。
この町を1枚物の絵を描くのだって技ありなのに、
さらに動くんだから・・・あっぱれパレ。
『マトリックス』を まんまアニメにしたら
こうなりました、の巻。

綿密な背景も、人物の動きも、
洋服の皺ひとつひとつも、
明確な計算と構築のもと、
ほんの わずかな手抜かりもなく、
完璧に仕上げられている・・・
ここで私のヤマイが持ち上がる、
こわい、と思ってしまう。
『超アニメ』より『まんが映画』の方を私は好む。
どこか拙い部分や欠点がある方が、
私は人の温度を感じることができて いい。

声を担当している俳優陣も素晴らしい“演技”だし、
制作陣の熱意も十分に伝わってくる。
なのに、こわい。苦手。
ブレスができない、あまりに濃度があり、
深呼吸できる場所がなかった。後半はクタクタ…。

あと、あれが苦手。
登場人物が「ぎゃーーーーっ」と大声をだしたら、
パーン! と世界が一変するアレが苦手。

でも、暴力シーンが残酷すぎるという話をきいたが、
私は大丈夫だった。よく描き切ったと思う。
ホラーでもオカルトでもなく、
リアリズムに乗っ取った重要場面だ。


★★★★★☆☆ 7点満点で5点
素晴らしい「超アニメ」。
だけど、苦手。完璧すぎてこわい。

映写事故、あり。
映画が始まって5分ぐらい、
声のみで、映像が写らなかった。真っ黒。
しばらく「こういう演出なのか」と思って
じーっと おとなしく声だけを聞いてた。その後、
一緒に観てた友だちと私が
「これ変だよね」と言い合った。
ザワザワザワ…。皆が騒ぎはじめたとき、
観客のおひとりが映画館スタッフに言いに行ってくれて、
ようやく真っ黒画面はストップ。
間を置いて、もう一度、最初からスタート。
この時点で疲れたのかもしれない。しかし、
客に言われるまで事故に気付かないなんて、おかしい。

~2007.1 池袋にて観賞~

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