ダニエラという女 |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー


『カメリア女体』


出産後の女性の身体は
普通の状態ではなくなる。
子を育てるよう、胸も腰も豊かに丸みを帯び、
それは神秘としかいいようがなく、
男を性的にそそるエロスは小休止だと思われる。
豊満な肉体で わが子を抱く女性の姿は実に神々しい。
私自身は子どもを生んだ経験はないけれど、
妹や友人の出産後の姿は別格の美しさが備わっている。
ただ、こんな経験が。

むずがる赤ん坊に乳をあげるため、
母はためらいもせずオッパイポロリ、
こちらは唐突に乳房を見てしまい、
「えっ」と照れるやら、気恥ずかしいやら⋯
でも、ハグハグと乳房に吸い付く赤ん坊の姿には
ほんまの“生の本能”を見るようで感動させられる。だから、
母のポロリ胸を目にしたとき、ちょっとでも
エロい感覚をもってしまった自分に
後ろめたいものを感じてしまうのだ。

こんなお乳をあげる場面、私の子ども頃など
バスの中なんかで当たり前に見かけたものだが、
今ではトンと見なくなった。
だからよけい、赤ん坊がいる家へ遊びに行って、
わが子にポロリする母の場面に出くわすと、
母の強さに たじろいでしまうのだ。

特別だと思う。
母となって直ぐの女性の身体は
オンナというより、むしろ父性にも似た強さも帯び、
小さなものを守れるよう とてつもない寛容性を帯びている、と。
たとえ娼婦だとしても、女優だとしても、
頭で家計や自分の将来のことを計算しているとしても、
身体は海や大地のごとく、
赤子を包むよう豊かに変化する、と私には感じられる。

それはイタリアの宝石と呼ばれる女優、
モニカ・ベルッチも同じだ。
セックス・シンボルを演じるには、
母となってすぐのモニカは あまりに神々しすぎた。


【映画】イタリアの宝石と呼ばれるモニカ・ベルッチ主演の大人のための恋愛映画。飾り窓の中で生きる絶世の美女と平凡な男の愛の軌跡を描く。ヒロインの幸運な相手役を務めるのは、コメディアンとしても有名なベルナール・カンパン。その恋敵役に『恍惚』のジェラール・ドパルデュー。『私の男』などのフランスの鬼才、ベルトラン・ブリエ監督がモニカに捧げた究極の一本。カルティエやプラダを身に着けた大人の女の豊満な肉体に目が釘付けになる。(シネマトゥデイ)

★★☆☆☆☆☆ 7点満点で2点
想像した通り「プー」だった⋯。
このときのモニカは出産直後。母であり、父でもあって、
男を惹き付けてやまない“罪な女”には到底 見えない。
モニカといえば、大胆な裸体披露も期待されるが、
監督も配慮されたのでしょう、
遠慮して撮ってるのが分かってしまう。
もともと豊満な胸が魅力のモニカであるが、
授乳中の身ということもあって、
チクビは大きく、腰もデカい、これを官能的に撮れればいいけど、
避けるようではお話にならない。
「ここは正面からバーン! とモニカのヌードだ」
という場面を、後姿で逃げてるようじゃ、
モニカ様のオーラが萎えてしまう。
結論=この監督ではモニカは撮れないし、
モニカも この時期、娼婦役はキツイでしょう。
なんせ愛娘を連れて、撮影の合間に授乳しながらの演技だったとか⋯。
スケジュールが この時期しか合わなかったのかなぁ。

ただし、モニカとコメディは合ってる。
ゲロを吐くモニカなんて、そうそう観られない。
彼女のプロ意識を観られたのは良かったし、
高価な衣装に包まれたモニカの表情は美しい。

宝くじに当たった冴えない男が
娼婦を買うという映画の設定自体は面白い。
おフランスのエスプリというのかな、
軽くて、アホ臭いドタバタ劇。でも他の女優でやればよかった。
モニカのために作った映画とされているが、違う、
出来上がりを見る限り、単に「男のあこがれ」を描いたコメディーだ。

増村保造センセがご存命なら、
モニカをヒロインにイタリア版『刺青』でも撮ってほしいもの。
きっと ええもん出来たのにぃ、残念!!!

観客はモニカの裸体を期待したと思われる中年のオッサンと
モニカファンと思われる女性たち。若い男性の姿はナシ。

~'06年 銀座シネパトスにて観賞~


●モニカというヴィーナス
↑映画を観る前に書いた私のモニカ讃美
この写真の頃は娘のデヴァちゃんも乳離してるはず。

*TSUBUYAKI ZOO*



●『ダニエラという女』公式サイト