女のいない死の楽園 |  ◆ R I N G O * H A N

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女のいない死の楽園
供犠の身体・三島由紀夫
渡辺えみこ:著

19070年11月25日、
フェミニズム運動、ゲイ権利運動の夜明けに
「それでも男か、武士か」と
絶叫し続けながら自刃---<書籍帯より>


「三島由紀夫 映画祭 2006」で買った一冊。
三島婦人がひた隠しにしていた
“同性愛”について、
切々と あからさまに女性の視線で語られる。
やはり、と、多々納得。
私は三島作品のファンでも信者でもないけれど、
憲法九条が議論される昨今、
自衛隊の覚醒と決起を訴えた三島由紀夫の精神が
どうにも気になって ツルッと読破。
ただ本書、同じ指摘が何度も繰り返されたり、
男らしさ、女らしさという
ジェンダー化に限った論説なので、
やや淡白な一面論ではあるけれど、
三島由紀夫の仮面の下を
ほんの少し見たような気分になる。

というか、男が男をかこうことについては
江戸時代の日本では道楽とか、粋として、
わりにメジャーで一般にも認められていたときく。
だとしたら、日本が西洋化を急ぐあまり、
「日本の習慣」を置き忘れてきたのかも⋯?
三島由紀夫の精神面をひた隠しにする家族が痛い。

そんなことも思いつつ、
なんだか、これを読むうち、
ますます日本で公開が見送られている映画、
『MISHIMA』が観たくなった。

●MISHIMA
監督・脚本:ポール・シュレイダー
製作総指揮:フランシス・F・コッポラ
      ジョージ・ルーカス
って、めっちゃ豪華。
三島由紀夫役は緒方拳さん。
肉体改造や自刃に至るまでを鬼気迫る勢いで熱演。

封印されていた『憂国』も公開されたことだし、
そろそろ本命作も公開されますよーに!




●「三島由紀夫映画祭2006」開催中のキネカ大森



渡辺 みえこ
●女のいない死の楽園—供犠の身体・三島由紀夫


Philip Glass, Michael Riesman『MISHIMA』サントラ
●Mishima: A Life In Four Chapters (1985 Film)