ルワンダ・ルワンダ |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

ゴリラ像

Rwanda gorilla


映画『ホテル・ルワンダ』に
同名のホテルは登場せず、
主人公のポールが支配人をつとめるのは
ミルコリンズ・ホテルという
ルワンダの首都キガリに今も実在する高級ホテルで、
ポールは そこに1200名もの人間を かくまった。
つまりタイトルのホテル・ルワンダとは、
ポール自身をさしている。

物語の序盤はミルコリンズ・ホテルの
枠内で行動していた人間が、
徐々に現実と向き合い、やがて
本来の人間があるべき姿に目覚め、
国全体を想うようになる。
彼こそ『ホテル・ルワンダ』。

葛藤の場となった そのホテル。
成り行きの一部始終を
静かに見守っていたものがある。
ゴリラの像。
ルワンダ観光の、一番の目玉であり、
絶滅の危機にあるマウンテンゴリラの像は
ホテルのエントランスで、静かに静かに、
見守るような佇まいを見せている。

ゴリラ見物の客で繁盛するミルコリンズ・ホテルから
事件が勃発し、くだんの西側の人間たちが
引き潮のごとく去っていく様も、
民兵が銃を手に押し寄せる様も、
同じ国で生まれたもの同士が争う様も、
ただ見守って、物言うことないゴリラ像。
あれは芸術という名の傍観の品。
武力の前に、限りなく無力なもの、
けれど、美を創作することで、
いつしか必ず伝わる真理がある。

私は、ゴリラ像と同じ目線で映画を観てた。
そして、また始めようと思う。





●二度目の『ホテル・ルワンダ』の感想
●一度目の『ホテル・ルワンダ』の感想
●三度目の『ホテル・ルワンダ』の感想

●ホテル・ルワンダ公式サイト
●『ホテル・ルワンダ』日本公開を応援する会