ネコ氏のルワンダ・コーヒーの話 |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

ネコシコーヒーが好きで、時間をかけて じっくりコーヒーを煎れる。部屋の中がコーヒーの香りで溢れる時、私の気分は充実感という幸福で満たされる。家が住まいであり、仕事場でもある私にとって、実は家が宇宙でもある、その箱の中で一日に数回 コーヒーを煎れる時は、いわば 気分の入れ替え時で、コーヒーの香ばしい空気に包まれると、たとえば行き詰まった脳みそや、時には悩みごとでさえも溶けて柔らかくなる。こんな私が三日に一度は家の外でコーヒーを飲むようになった。それは家から歩いて20分のところに『f』という喫茶店を見つけてからのこと。

ルワンダ・コーヒー。
『f』で初めてこのコーヒーを口にした時、
私は素直に素朴な味だと思った。
そして、家では煎れることができない風合に
いたく感動していた。
なぜなら、ルワンダ・コーヒーは草原の産物、
大地と植物の味がしたのだ。

自分で煎れるコーヒー。
実はそれが植物であるという事実が
すっかり私の意識の中から薄らいでいた。
『f』の扉を開け、ルワンダ・コーヒーの香りを嗅ぐと、
コーヒーという飲み物は人工的に作られた商品ではなく、
“息物”だったことを知らしめてくれる。
もしかしたら私というやつは、
世界中の どこの国でも暮らしていける強かなタイプかもしれないと、
ある冬の朝、偶然、セントラル公園で会ったネコ氏が
照れながら私に話してくれた。


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