8月のクリスマス |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

サマスマス

Christmas in Augest


『理想の女』を観た後、
勢いで観てしまった『8月のクリスマス』。
“しまった”という言い方をしたのは、
物足りなさを否定できないから。
この映画のオリジナル韓国版は未見なれど、
たとえ日本版が
ソコソコの仕上がりだと自負していようとも、
けしてオリジナルを抜く傑作ではない⋯と想像。

「死」を静かに受け入れるポエムのような映像、
すれ違う心と空回りする言葉。
淡々とした純愛路線は嫌いではなく、
むしろ好きだけれど、
山崎まさよしさんが演じた主人公は、
生への固執が希薄で やるせない。
たとえ“清さ”が物語の軸であるとしても、
死の受け入れ方が綺麗すぎるドラマは、
侘しい。

侘しいといえば、
映画が終わって、タイトルロールと同時に
山崎まさよしさんの主題歌が流れ、
胸の奥底から込み上げてくる熱いものがあった。
おそらく、1時間半の映画を観なくとも、
山崎まさよしの『8月のクリスマス』を聴けば、
同じものが伝わるような⋯
これって、どうなんだ、
山崎まさよしさんの歌を誉めるべきなのか。
映画を励ますべきなのか。
といいつつ映画の中でも、
たまらなく胸が熱くなった場面があって。

それは年老いた和服姿の女性が、
ご自身のお葬式に使うための写真を撮るため
主人公の写真館を訪れるシーン。
「きれいにとってね、お葬式に使うの」
カメラの前でニッコリ微笑んだ老女を観たとたん、
両の目から熱いものがボタボタボタッと落ちて
しばらく止まらなくなってしまった。
---- やはり、本筋ではないところで感動している---。


◆8月のクリスマス http://www.8xmas.com/
★★★★☆☆☆ 7点満点で4点


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